2024年12月30日
駆け足で過ぎ去ったこの一年。
昨年ほどではありませんでしたが今年も日本全国を飛び回り、多忙な生活を送ったせいか瞬く間に時間が過ぎたように感じます。
今年一年を振り返ってみると元日の能登半島地震から始まり梅雨末期の大雨、記録的な酷暑など災害の多い年になりました。
自然災害については過去何度も触れている通り世界規模の問題。
温暖化が拍車をかけていることは言うまでもなく、これからはより一層節電など個々の努力が重要になるでしょう。
災害の煽りを受けるのは人間だけではなく野生動物も同じであり、見えない場所では多くの命が失われたはず。
いつの時代も犠牲になるのは野生動物。
守れる命があるのであれば守ってあげなければいけません。
人間中心の世の中ではなく野生動物が暮らし易い環境を保全することも人間の大事な役割りと考えているのですが...
このように日々考えさせられ、厳しい現実を直視しながらも一年を通して観察を続けてきました。
精神を磨り減らしながらも時には喜べる場面があり、記憶を画像に残せるのが写真の良いところ。
そのような記憶に残る一枚を各月毎にピックアップして今年一年を振り返りたいと思います。
1月【 ヤマドリ 】
昨年末から観察を継続したヤマドリ。
年明けは特に良い場面に恵まれ目の前で採餌の様子を見ることができました。
観察自体難しいと感じていたヤマドリをじっくり見ることができたのは大きな収穫でしたが、何よりも印象に残るのは美しい羽衣。
御殿毬と例えた美しい模様は自然が織り成す造形美といったところでしょうか。
2月【 オオマシコ 】
知人より情報を頂き久しぶりに見ることができた成鳥のオオマシコ。
アトリ科の当たり年と言われた恩恵からか、2月に入ってから別個体と思われる群れを見つけることができました。
昨年夏の猛暑の影響により山には食べるものが無く道路沿いへ出てくるしかなかったようです。
3月【 クロウタドリ 】
与那国島や石垣島の旅行においてお目当てとしていたクロウタドリ。
しかし旅先では見られることがなく肩を落としていたところ地元での発見。
発見当初はコクマルガラスの幼鳥と見間違えるほどのインパクトに大変驚かされました。
同日、ホオジロハクセキレイやヤツガシラも見られ南西諸島へ来たような錯覚があったことを今でもはっきりと記憶しています。
4月【 マミジロタヒバリ 】
秋田県初記録となったマミジロタヒバリ。
これまでに記録が無いのはおかしいと考え数年前から意識して探すようになりましたが遂に見つけることができました。
立ち姿に特徴があり、この発見は他地域での観察経験が役に立ったと言えるでしょう。
5月【 ソリハシセイタカシギ 】
爆弾低気圧の置き土産がないかと方々探した結果、自宅近くの田んぼで発見。
灯台もと暗しとはこのことかと探鳥方法の修正が必要だと改めて考えさせられました。
これまでに他地域では沢山の個体を観察してきましたが、この日の観察が一番良かったかもしれません。
6月【 オオセッカ 】
観察を忘れムキになって撮影したオオセッカ。
この頃からミラーレスの機材へ移行を考えるようになりましたが現在もレフ機を使用しています。
機材を刷新することにより決定的瞬間を撮影できるようになるのは分かっていても、機材頼りの撮影に疑問を感じる今日この頃。
7月【 アカショウビン 】
仕事中、偶然にも発見したアカショウビンの繁殖地。
亜種アカショウビンと亜種リュウキュウアカショウビンの交雑を疑う個体が見られ、私としてはこれまでにない観察もできました。
この時まで積極的に観察してこなかったアカショウビンですが、今後精力的に観察する日が訪れるかもしれません。
8月【 オオジシギ 】
毎年8月はオオジシギの観察に集中していますが、今年の夏季休暇は例年になく条件の良い観察をすることができました。
特に13日の観察では2羽の成鳥を目の前で見ることができ、羽繕い、伸び、水浴び、採餌と様々な行動を観察。
期間を通して振り返ると空振りに終わる日もありましたが、確認できた総数は例年と大きく変わらなかったことに胸を撫で下ろしています。
9月【 タシギ 】
オオジシギの観察に引き続き9月は集中的にタシギの観察を行いました。
稲刈りの終わった田んぼでは多くの個体を見ることができ、換羽の状態や行動に着目。
これまでに見ることのなかった行動を観察できた日もありましたが、特に印象に残っているのは睡眠中のタシギにトンボが止まった場面。
振り払ってもしつこく止まろうするトンボとの攻防は狙って見れるものではないこともあり、当時の記憶は鮮明に残っています。
10月【 ムジセッカ 】
空振りの多かった10月。
この時期ならではの渡り鳥を探して各地で探鳥を重ねましたが、お目当てとなる鳥との出会いに恵まれない日々が続きました。
本県にしては珍しく好天が続いていたこともあり渡り鳥は足早に移動していたようです。
唯一、自宅近くの雑木林で見つけたムジセッカとの出会いがなければ10月の項目は【思い出に残る一枚は無し】になるところでした。
11月【 ハクガン・中間型 】
渡来当初に見られたハクガンの中間型。
青色型のアオハクガンが毎年のように見られるようになりましたが、中間型を確認できたのは今季が初めて。
特徴を見る限り成鳥として判断して間違いないと思いますが、どのような経緯で渡来したのか気になるところ。
幼鳥の割合を見ても気になる点が多く繁殖地を見てみたいものです。
12月【 オオワシ 】
やはり今年も12月はオオワシになりました。
もう彼について語ることはありません。
無事に渡来したことを心から喜び、無事に生まれ故郷へ戻ることを祈るだけです。
足早に今年一年を振り返ってみましたが年初めのヤマドリ観察も「ついこの前」と感じるのは加齢によるものなのでしょうか。
年齢が進むにつれ時間軸は短くなり月日が経つのはあっという間。
その分一日一日を大事に過ごしたいと考えていますが、多忙が故に時間に追われる日々が続き「いつの間にか」というのが実状です。
「来年こそ」とは考えているものの、その来年もまた時間に追われる日々になるのは目に見えており、私が最も意識しないといけないのは健康なのかもしれません。
健康と言えば思い出すのは今年3月、与那国島での出来事。
まさか現実の世界でDr.コトーにお世話になるとは夢に思いませんでした。
体力的にも衰えを感じるようになっただけに、今後こういったことが二度とないよう来年はこれまで以上に健康に留意して日々過ごしたいと思います。
本年も当ホームページへご訪問頂きありがとうございました。
来る年も皆様にとって輝かしい年になることをお祈り申し上げます。
それではよいお年を...