2024年2月26日
本日更新の日記はユキホオジロの観察記。
遡ること昨年12月18日、知人のご厚意によりユキホオジロ発見の情報を寄せて頂きました。
しかし私はヤマドリの調査・観察に注力していた頃。
特に年末年始はヤマドリに時間を費やした為なかなか見に行くことができず、情報を活かすことのできないまま抜けてしまうものと思っていましたが...
1月8日、高温傾向の年末年始から一転してこの日は冷え込みが強く自宅周辺は雪景色に。
念願だった“雪景色のユキホオジロ”を拝めるかもしれません。
淡い期待を抱き現地へ足を運んでみたものの、思いのほか雪は積もっておらず肝心のユキホオジロも見当たりませんでした。
噂によると時々姿が見えない日もあるそうで、どうやら私はタイミングの悪い日に当たってしまったようです。
運が悪かったとユキホオジロの観察を諦めヤマドリの調査へ移行しようと考えましたが気掛かりな場所が一つ。
諦めるにはまだ早いと場所を移し捜索することものの数分。
予想が的中。
ユキホオジロを発見しました。
これまで姿が見当たらない日はこちらへ移動していたのでしょう。
思い描くような光景を見ることはできませんでしたが、いつもと違った場所だけに変わった行動が見られるかもしれません。
その様に考え観察に当たると2羽のユキホオジロは歩車道境界ブロックの上を移動することが多く、分離帯に生える雑草を啄んでいました。
この日は目まぐるしく天候が変わり、陽射しが届いたかと思えば突然の吹雪に。
この吹雪には流石のユキホオジロも目を細めていましたが、こうした光景を見る機会は少なくここぞとばかりに撮影しました。
楽しく観察できた一方、気になるのはヤマドリ。
こちらの場所とは異なりヤマドリの餌場は積雪の影響が出ているかもしれません。
そう考えると居ても立っても居られずユキホオジロの観察は手短に済ませこの場を後に。
最初の観察から5日後の1月13日。
この日の前夜、纏まった量の降雪があり「今度こそ雪景色のユキホオジロが見られるのでは」と再び現地へ。
現地入りするとユキホオジロは前回と同じ場所で採餌していましたが、積雪は思ったほどではなくうっすらと積もった程度。
理想とする条件ではなかったものの念願叶って“雪景色のユキホオジロ”を地元で見ることができました。
間もなく雪浴びを始めたユキホオジロ。
積雪時だからこそ見ることのできた行動です。
初めて見る行動に興味津々でしたがそんな喜びも束の間、陽射しが届いた影響もあり見る見るうちに雪は融けてしまいました。
これによって採餌が活発化。
秋田で見るユキホオジロは地面を這いつくばるように移動し地面に生える雑草の種子を啄むといった採餌が一般的。
しかし今回観察できた個体は嘴で枯れ草を引っ張り放り投げるという場面が多く、挙動の大きさに激しささえ感じました。
面白さに任せて連写したことにより待っていたのは選定地獄。
類似する写真を一枚一枚チェックし厳選しなくてはなりません。
この作業が苦となり意図的に連写を控えるようにしていますが、今回のように連写してしまうと途方もない後悔に襲われます。
年々選定作業が苦となるなか、私は秘密兵器を手に入れました。
隠すほどの物ではありませんが秘密兵器の正体は老眼鏡。
昔から視力だけは良く眼鏡をかける未来を想像できませんでしたが、ここ1~2年は手元のピントが合わず自分の書く文字がぼやけて見えるほど。
様々な場面で老眼に悩まされるようになり、意を決したようにメガネ屋へ足を運ぶと驚愕の事実を知ることになりました。
老眼鏡を作成するにあたり初めて専門的な視力検査を行った結果...
左目が近視、右目は遠視という左右アンバランスな状態であることが告げられ、更に乱視も認められるというのです。
この事実を知り即座に思い浮かんだのは長い間続けてきた野鳥撮影。
私は左目でファインダーを覗くため左目だけが近視になったのだと想像がつきました。
年に一回行っている身体検査では何故両目とも2.0の結果になるのか不思議ですが、事実私の目はアンバランスな状態にあるようです。
ブルーライトカットのレンズを選んだため納期まで一週間を要しましたが、実際に使ってみた感想は「こんな便利な物が世の中にあったのか」と驚くほど。
もう顔をしかめて画像を見比べる必要はありません。
もはやユキホオジロの観察なのか私の老眼の話なのか分からなくなってしまいましたが、この日は2時間ほどユキホオジロを観察してヤマドリの調査へ向かいました。
連休だった1月の第2週。
13日の観察に引き続き14日もユキホオジロの観察へ。
この日最初に目にしたのは目線より高い位置に止まるユキホオジロ。
高い場所に居ると警戒心が緩くなるのか歩み寄っても平然としていました。
前日に比べると積雪量が増えたせいか採餌を始めるまで待機の時間が続き、気になったのは南風。
この日の予想最高気温は6℃と平年より随分と高く、せっかく積もった雪があっという間に融けてしまいます。
「今か今か」と待つこと30分。
ようやく採餌を開始。
3回目の観察にして雪景色の写真としては一番良い形になったと思います。
秋田では地面に生える雑草の種子を餌とするからこそ、これまで“雪景色のユキホオジロ”を見ることはできませんでしたが、今回このように観察できたのは暖冬が影響していると考えて間違いないでしょう。
今季は積雪量が極端に少なく降っても融けての繰り返しであったことから越冬個体を見ることができたのだと思います。
何を語るにしても大前提となるのは知人のご厚意による情報があったからこそ。
近年は地元の観察において他所様より情報を頂かないようにしていましたが今回はお言葉に甘える形となりました。
この様に念願叶って見ることのできた雪景色のユキホオジロですが、次なる目標は夏羽の観察。
観察時期が遅くなればなるほどそのチャンスが巡ってくるかもしれません。
そんな日を楽しみにして本日の観察日記はこれにておしまいです。