2024年3月24日
本日更新の日記は2月18日の観察分から。
先週の日記にも綴った通り先月18日はオオマシコを観察しましたが、思いのほか観察が早く終わってしまったため持て余した時間は近所の田んぼや河川敷を巡回してみることに。
例年2月中旬ともなると自宅近くの河川や田んぼは北帰行のハクチョウたちが見られるようになり冬の終わりを感じさせられます。
しかし暖冬が影響したのか今季は渡りが早まり見事なまでに蛻の殻。
朝方は放射冷却の影響により車のガラスがガリガリに凍るほどの冷え込みでしたが、日中は記録的な暖かさとなり上着要らずの陽気になりました。
この暖かさも手伝って河川敷は散歩をする人たちが沢山。
人出が多く野鳥の観察には不向きであったことから農耕地へ移動を始めたところ前方から100羽ほどの小鳥の群れが飛来。
頭上を通過した小鳥の群れは降りる場所を探していたのか右往左往。
見失わないよう注視していると吸い込まれるように地面へ急降下しました。
飛ばさないよう離れた位置から双眼鏡を覗くとベニヒワの群れであることが判明。
そろりそろりと車を動かし群れの様子を観察してみることに。
枯れ草が密集している場所とあって群れ全体の様子を見ることはできませんでしたが、それでも複数の個体を観察することができました。
枯れ草の陰に入ることの多いベニヒワは観察が難しく撮影にも四苦八苦していたところ抜けの良い場所へ止まる個体を発見。
腰を据えて観察しようと思ったのも束の間、付近を通過した車を警戒し一斉に飛び立ってしまいました。
一度遠退いた群れは弧を描くように飛翔すると元居た場所へ。
この時は運良く開けた場所へ降りてくれたお陰で群れの雰囲気を写すことができました。
群れのなかには夏羽に移行中の個体や餌場を巡って小競り合いする個体など行動も様々。
少し残念だったのは半逆光の位置から撮影したため明暗のコントラストが強く出てしまったこと。
良い位置へ移動してくれないかと群れを眺めていると歩行者が接近。
案の定、警戒した群れは一斉に飛び立ってしまいます。
群れの行く末を見守りましたがこの時は戻ってくることなく遥か彼方へ姿を消してしまいました。
直ぐ様捜索に当たったものの、これがなかなか見つからない。
採餌していた場所と類似する環境は多数点在し、可能な限りチェックを重ねましたがどうしても見つけることができません。
一期一会の出会いとして諦める他なく観察場所を離れようとしたところ松林を小刻みに移動する小鳥を目撃。
群れの規模からベニヒワと判断。
近寄ってみると松ぼっくりにしがみつくベニヒワの姿が見られました。
しかし奥まった場所や逆光の位置で採餌する個体が多く、良い条件での撮影を許してもらえません。
あたふたしているうちに群れは松林を離れ再び遠くへ飛去。
振り出しに戻されたかと思いきや群れはこちらへ戻り付近の空き地へ急降下。
この時は順光の位置から観察することができたため、撮影した画像もさぞかし良いものになったと思ったのですが...
画像をチェックするとどれも大味なものばかり。
群れの雰囲気を壊したくなかった為に敢えて離れた位置から撮影したのですがピントは甘く構図も今一つ。
1羽を集中的に撮影するよりも群れの撮影は難しい...
写真の良し悪しは別として、ここまで規模の大きな群れを見たのは初めてとあって私としては貴重な観察経験となりました。
ベニヒワが当たり年だった今季、各地で観察できましたが次にこうした光景を目にするのはどれくらい先になるのでしょう。
未来のことは分かりませんが鳥類そのものの数が減り続けている現代、この先もこうした光景が見られることを願ってやみません。
間もなく渡り鳥の移動が最盛期を迎えます。
この日観察できたベニヒワたちは今頃何処に居るのでしょう。
無事、繁殖地へ辿り着けますように...
本日の観察日記はここまで。