2024年8月12日
本日更新の日記は7月27日の観察から。
オリンピックが開幕したこの日、テレビを付けると『このあと開会式』のテロップを目にしました。
この時の時刻は午前0時半。
午前1時から始まるのかと思いきや開会式が始まったのは午前2時過ぎ。
テロップに騙されながらも視聴を続けると各国の選手を乗せたボートが続々とセーヌ川を下りました。
日本選手団が登場したのは午前4時頃。
完全に寝るタイミングを失い一睡もすることなく奇想天外な開会式を最後まで見届けると時刻は午前6時半に...
完全徹夜で観察に望んだのは昨年夏のケアンズ探鳥旅行以来だったでしょうか。
眠気と格闘しつつ渡りの中継地へ足を運ぶと早速オオジシギを確認。
畔に立ち止まり私を気にしている様子でしたが間もなく伸びの姿を見せてもらうことができ幸先の良いスタートです。
この時はオオジシギの特徴を示す外側尾羽も確認。
伸びを終えると地面に挿し込んだ嘴を小刻みに動かし次々にミミズを捕食。
少しでも距離が縮まることを願いオオジシギの動向に注視していると徐々にこちら側へ歩み寄り期待通りの展開に。
しかし喜んだのも束の間、体を反転させると畔を降りて反対側へ。
稲穂と畔の隙間を進み私との距離は離れる一方。
そこで反対側の農道へ移動し待ち伏せを考えましたが、オオジシギは田んぼの中央付近に立ち止まり距離が縮まることはありませんでした。
撮影の観点では今一つの距離であったものの、観察という部分においては充分と言えるでしょう。
これ以上距離が縮まることはないと考え別個体を探してみることに。
別個体を探して間もなく畔に伏せるオオジシギを発見。
おそらく私を警戒して身を伏せたものと思いますが、この後の行動は個体毎の性格によって異なります。
その場に留まり餌を採り始める個体、距離を置く個体、隙を伺って飛び立つ個体と三者三様。
この個体はどのような性格の持ち主なのか...
警戒が解けるまで待っていると身体を起こして直ぐ伸びの姿勢を見せました。
しかし雑草が尾羽を隠し肝心な部分を見ることができません。
せっかくの出会いもこれでは...と思った瞬間、隙をつくようにオオジシギは駆け足で移動を始め田んぼの中央付近へ。
どうやらこちらの個体とは縁が無かったようです。
潔く諦め別個体を探して回ると農道脇に佇む個体を発見し車を止めましたが...
距離が近過ぎたためその場に身を伏せ微動だにしません。
こちらの個体は我慢強いタイプ。
車が接近しても飛び立つことなく身を伏せてその場を遣り過ごそうとする性格の持ち主です。
膠着状態が続くこと10分余り。
意を決したように身を起こすと農道脇の死角へ...
そろりそろりと車を動かすとこちらを覗き込むように首を伸ばす姿が見られました。
間近に観察できるチャンスだと思ったのですが、ここまでの警戒心を見せられると良い観察はできそうにもありません。
この様な時は諦めが肝心。
時期的に沢山の個体が見られるため1羽に執着せずとも必ず良い場面が訪れるはずです。
この日は狭いエリア内において30羽前後のオオジシギを見つけることができ、割合としては幼鳥よりも成鳥の方が多いという結果になりました。
数こそ多く見られたものの内容としては今一つと感じ別エリアへの移動を考えていると突然の土砂降りに窓を開けていられず...
あまりの強雨に観察の打ち切りを考えましたが雨は一過性のものであったようです。
その後は天気の回復が見込まれたため探鳥を再開すると、この日一番と言える至近距離での出会いがありました。
車道脇に居るところを見つけ停車しましたが、こうしたケースで観察に繋がるのは極めて稀。
案の定そそくさと歩き出し稲穂の中へ姿を隠してしまいました。
良い条件と感じる個体に出会うことができないまま時刻は15時を過ぎ、徹夜の眠気から集中力が切れ始めた頃...
粘りに粘って枝豆畑の中で熟睡している幼鳥を発見。
前夜に渡ってきて疲れていたのでしょうか。
発見から約30分の間、微動だにせず眠りこけていました。
眠りから覚めるとあくびを連発。
上嘴の先端をクネクネと動かしコミカルな動きを見せます。
凝り固まった身体を解すように伸びをすると外側尾羽がちらり。
幼鳥ということもあり羽には擦れや磨耗が無く一枚一枚の羽が美しい...
更に腋羽を御開帳と私が見たいと思うシーンのオンパレードに笑いが止まりません。
対の翼を伸ばした後は羽繕い。
羽繕いを終えると畑を縫うように移動したためこの日の観察は終了としましたが、最後の最後に良い条件で観察することができました。
この週末は連休だったこともあり翌日もオオジシギを探して回りましたが、そちらの様子は翌週更新の日記に綴りたいと思います。
本日の観察日記はここまで。