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2024年9月13日

 

 

 

本日更新の日記は観察旅行記。

 

今回の旅行、旅立ち前からドタバタ劇を繰り広げました。

 

旅立ちまで間もなくといった頃、タイミング悪く台風13号が発生。

予想される進路を見る限り旅行に及ぼす影響は大きく、計画そのものの見直しを迫られる状況に。

 

日を追う事に状況は悪化するなか私が下した決断は…

 

 

出発前日に急遽行き先を変更。

台風と秋雨前線の影響を受けない場所を探すことからはじめ、新たに選んだ目的地は九州北方玄界灘に浮かぶ対馬。

 

渡りの時期になると多くのバードウォッチャーが足を運ぶ離島ですが、私はこれまでに渡島した経験がありません。

 

9月はアカハラダカの観察地として名高いこともあり、今回はタカの渡りを主な目的として探検がてら対馬の旅を楽しむことに決めました。

 

出発当日は羽田空港を経由して福岡空港へ。

 

 

福岡空港を利用したのは5年ぶりだったでしょうか。

 

当時は平会員だったANAマイレージクラブも今や最上級会員。

未開のスイートラウンジへ入ってみると太宰府天満宮の土産物として有名な梅ヶ枝餅が提供されていました。

 

 

無料で梅ヶ枝餅を味わえる喜び。

ダイヤモンドメンバー万歳。

 

ラウンジで寛ぎ福岡空港を出発したのは日没間際の18時30分。

 

 

30分ほどのフライトを経て対馬空港へ到着したのは19時05分でした。

 

 

2024年 野鳥観察の旅 in 対馬 (9月)

 

 

日没後ということもあり辺りは暗闇に包まれた対馬空港。

 

空港入り口にはツシマヤマネコ、ヤマショウビン、コウライキジの可愛いデザインが施されていました。

 

 

残り一台だったというレンタカーを調達して早々に宿泊先へ移動。

 

主要となる道路沿いにはパチンコ屋、スーパー、ドラッグストアなどが立ち並び想像よりも栄えた印象です。

 

秋田からの長旅を終え、初日の夜は翌日の観察に備えて早めの就寝としました。

 

 

2024年9月14日

 

 

すっきりとした青空に恵まれた日程二日目。

 

この日はアカハラダカの観察を目的として対馬南部に位置する内山峠展望台を目指しました。

 

初めて足を運ぶ場所とあって恒例のマップを掲載。

参考までに対馬空港から内山峠展望台までは車で28分。

 

【 広域 】

【 縮尺 】


 

急遽行き先を変更したため詳しいことが分からずweb上にある情報だけが頼りです。

 

朝鮮半島に最も近い対馬北部で観察が行われていると思っていただけに不安を抱えながらハンドルを握っているとアカハラダカ観察地の看板を発見。

 

 

以前足を運んだ烏帽子岳を思い出し、このような看板が設置されているからには間違いないでしょう。

 

間もなく見えてきた展望台。

既に多くのバードウォッチャーが空を見上げていました。

 

 

展望台の下には観察者用に椅子が並び日陰からの観察も可能。

 

今季の総数と前日の記録が記されたホワイトボードもあり、私のような旅行者にとっては有難い情報です。

 

 

期待に胸を膨らませ空を見上げると早くもアカハラダカの群れが見られ幸先の良いスタート。

 

 

息つく暇もなく次々に渡ってくるアカハラダカ。

距離はその時々で異なり肉眼では拾えない高高度を通過する群れも。

 

 

南方へ流れていく群れを眺めていると次第に群れの規模は大きくなり300羽の群れが見られました。

 

大きな群れが見られる度に周囲からは歓声があがり否応なしに気分は盛り上がります。

 

 

500羽の群れが見られた時には一際大きな歓声があがったものの、この頃になると少々欲が...

 

大きな群れを見ることができ嬉しく思いましたが、もう少し近くを飛んでくれたらと欲が出てしまいます。

 

 

9時半の時点でカウントできたアカハラダカは8000羽を超え、時には北方へ戻る群れも見られました。

 

 

その様子を随時Xにポストすると知人より『対馬は四桁後半で当たり、数万で大当たりです!』との返信が。

 

知人は過去に38000羽をカウントした日もあったのだとか。

 

 

数万とは言わなくとも10000羽を超えてくれたら御の字でしょう。

 

 

時間の経過と共に気温は上昇し日陰に隠れていても暑いと感じるようになった頃、地元の方よりアイスの差し入れが。

 

 

所狭しと並べられたおやつ、更にはおにぎりまで勧められ至れり尽くせりの観察です。

 

和気藹々と観察を楽しんでいたところこの日初めてのハチクマを確認。

 

 

ハト大のアカハラダカを見ていただけにいつもに増して大きく感じました。

 

間もなく別個体のハチクマも。

 

 

間もなく正午といった頃、これまでに見たことのない大きな群れが飛来。

 

 

辛うじて肉眼で拾える高空を舞っており、その数は更に増えつつありました。

 

双眼鏡越しに見ていると何処から湧いて出てくるのかアカハラダカの密度は濃くなる一方。

 

その様子を撮影したものの一枚のフレームに収まるものではありません。

 

 

2500羽に膨れあがった群れは空を埋め尽くし大きなタカ柱を作りました。

 

渦巻くアカハラダカを見て『アカハラダカトルネード!』と仰る方も。

 

 

高度を稼いだアカハラダカの群れは次第に南方へと流れていきましたが、再び四桁の群れが出現。

 

3000羽の群れが帯状に連なり、まるで天の川のよう。

これが噂に聞くアカハラダカ川です。

 

 

残念ながらこの時のインパクトは静止画や動画で伝わるものではありません。

 

対馬で見るアカハラダカの渡りは私の想像を遥かに超えるものであり、現地に居なければ味わうことのできない感動だと思わされました。

 

こちらは展望台から北方の山を写したもの。

稜線の陰からアカハラダカの群れが湧き出しています。

 

 

その後も断続的に渡りが続き、気がつくと13時半を過ぎていました。

 

 

この頃から少々間延びした時間がありアカハラダカの渡りはペースダウン。

 

手持ち無沙汰に私はトビを観察。

こちらのトビは根っこを空中に放ち何度もキャッチしていましたが狩りの訓練をしていたのかもしれません。

 

 

不意に現れたハヤブサはアカハラダカを襲う気満々。

 

 

私は気付きませんでしたが逃げ惑うアカハラダカが見られたそうです。

 

14時を過ぎた頃には渡りが確認できなくなり、地元の方より『今日は終わりかな』という話を耳にしました。

椅子の片付けを手伝いながらも空を見上げましたが、アカハラダカは見られず14時半を以て観察を終了。

 

対馬野鳥の会の方によると集計されたアカハラダカの数は19084羽。

今季初の万超えの渡りだったそうです。

 

このような大当たりの日に立ち会うことができ感涙の極み。

 

 

良い観察ができこれ以上欲張ってはいけないと思いつつも宿へ戻るには少々早いと思い、眼下に見えた農耕地を回ってみることに。

 

渡島前には何かしら目新しい出会いがあるものと思っていましたが、待ち受けていたのは厳しい現実。

展望台で小耳に挟んだ通り、農耕地ではハクセキレイの1羽も見られませんでした。

 

唯一見られたのはカラスにモビングされるハチクマ。

 

 

塒入りしようと高度を下げたところカラスに追われたのかもしれません。

 

結果的に農耕地での探鳥は奮わず早めに宿泊先へ戻りましたが、この日の夜は万単位の渡りを祝して居酒屋へ繰り出しました。

 

こちらは何気なく注文したタコの唐揚げ。

 

 

一つ一つのサイズが大きく淡白ながらも素材そのものの味が際立ち、これまでに食したタコの唐揚げのなかでも断トツの美味しさでした。

 

その他にも海産物が豊富で対馬空港近くの“肴や えん”は旅行者の方にお奨めしたい居酒屋です。

 

 

2024年9月15日

 

 

対馬へ渡り三日目を迎えましたが、早くもこの日が最終日。

 

急遽予定を変更した旅だったこともあり諸々の事情から対馬へ滞在できる時間は限られたものでした。

 

帰路の都合上、観察に充てられる時間はほんの僅か。

前日の様子から農耕地での観察には期待が持てず、悩んだ結果この日もアカハラダカの観察へ行ってみることに。

 

展望台まであと少しといった頃、目にしたのは雲に覆われた山並み。

 

この日は前日と打って変わって曇天の空模様。

低い雲が周囲の視界を遮っており展望台から見る景色もこの通り。

 

 

それでも朝早くから多くのバードウォッチャーが押し寄せアカハラダカの渡りを今か今かと待ち侘びてる様子でした。

 

間もなく遠くの山並みにアカハラダカのシルエットがポツポツと。

 

 

この日は北西の風と雲が影響したのか遠くに見える個体が多く、双眼鏡で辛うじて拾える状態。

 

 

スコープを持参していなかった私は相当な見落としがあったと思います。

 

 

ほとんどのバードウォッチャーが遠くを眺めていた時の出来事。

 

この日は小鳥の動きが活発だったことから近くの山肌を見ているとアオゲラと思わしき鳥が飛び立ちました。

反射的にカメラを構え撮影した画像がこちら。

 

 

肉眼ではアオゲラのように見えたこの鳥。

ファインダー越しに見える姿は…

 

一度は遠退いたものの引き返すようにこちら側へ接近すると展望台上空を通過。

そのまま壱岐方面へ南下し姿は見えなくなりましたが、透かさず画像を拡大し検証したところ…

 

私が目にしたのは紛れもなくコウライウグイス。

 

 

一度は遠退いたものの引き返してきた場面。

 

 

展望台上空を通過。

 

 

そのままま壱岐方面へ。

 

 

最後の最後に棚から牡丹餅。

 

よもやコウライウズクスを見れるとは思いもしませんでした。

これもまた土地柄なのか、地元の方に画像を見て頂くと大変驚いた様子。

 

予想外の反応に詳しく話を聞いてみたところ秋の記録は珍しいのだとか。

 

旅の最後に良い記録を残すことができ、今回の観察旅行は有終の美を飾りました。

 

 

秋田へ戻ってから知りましたが、対馬を離れた後にアカハラダカはほとんど飛ばず15日のカウント数は1409羽に留まったようです。

 

更に翌日の16日は全く飛ばず渡りは確認されなかったのだとか。

こうした記録からも私は本当に運が良かったのでしょう。

 

毎度のことながら運だけが頼りの旅ですが対馬にはやり残しが沢山。

再訪できた暁には隅々まで島を駆け巡り対馬を満喫したいと思います。

 

 

2024年 野鳥観察の旅 in 対馬 (9月) はこれにておしまい。