2025年8月4日
本日更新の日記は7月6日の観察から。
例年にない高温が続いた7月上旬。
この休日も不快に感じるほど湿度が高く体に纏わりつくような暑さを感じる朝でした。
暑さが増すと共に考えるのは観察の効率化。
嘗てのように一日を通しての探鳥は厳しいものとなり、何処で何を見るのか計画を立てなければ身体的負担を軽減することはできません。
この時期の記録を振り返ると最も多かったのはヨシゴイの観察。
しかし大雨災害が発生して以降、自宅周辺での観察が難しくなってしまったため、この日は自宅から少し離れた地域での探鳥を計画しました。
探鳥地へ着いて生息環境を流し見していると視界の片隅にヨシゴイが入り車を後退。
素通りしたはずの車が目の前に後退したためヨシゴイは擬態をしてその場をやり過ごそうとしています。
問題はこの後の反応。
警戒が解けるのか、それとも姿を消すのか。
擬態を止めると横向きの姿勢に変わり私の様子を伺っているようでした。
直ぐに隠れようとしない様子から俄に期待が高まったものの、期待通りには
いかずヨシゴイは藪の中へ…
こちらの場所は否応なしに距離が近くなってしまうため観察に結びつけるのは容易でありません。
観察に適した個体を探していると曇天の空を飛ぶクロハラアジサシの群れを目撃しましたが、工事による通行止めに行く手を阻まれ大きく迂回。
そうこうしている間に群れを見失ってしまい、過去の観察例に倣い思い当たる場所を覗いてもクロハラアジサシの姿はありませんでした。
泣く泣くヨシゴイ探しを再開するとカンムリカイツブリの親子を目撃。
親鳥と共に2羽の雛が居るように見えましたが、よく見てみると親鳥の背中にも雛の姿が。
孵化後どれくらい経過しているのでしょう。
随分と大きくなっていましたが、甘えん坊の雛はいつまでも親鳥の背中を離れたくないようです。
間もなくすると別個体の成鳥が魚を咥えて寄ってきました。
こちらはお父さんでしょうか。
餌を受け取る雛の姿を目の当たりにしてほのぼのとさせられましたが、カンムリカイツブリをこうして観察したのはいつ以来だったでしょう。
私が野鳥観察を始めた当時、夏場に見られるカンムリカイツブリは数えるほどでしたが、年々越夏個体が増えることにより今では留鳥の位置付けに変わりました。
嘗ては熱心に観察したものの、現在は好みの種も変わり目にしても素通りしてしまうことが多かったように思います。
背中に乗っていた雛が振り落とされると体長の違いを比べることができ、背中に乗っていたのは末っ子であることが判明。
水面に浮かんだ3羽の雛は親鳥の行動を真似ているのか、親鳥が羽繕いを始めると雛たちも羽繕いを始めました。
羽繕いを終えると潜水を繰り返すようになり、こちらは魚を獲るための練習といったところでしょうか。
ここで素朴な疑問。
嘗ての日記でも触れた雛の模様について。
この縞模様はどのような意味合いを持っているのか未だに合点のいく答えが見つかりません。
成鳥とかけ離れた容姿には擬態の効果があるとも思えず、何故に縞模様なのか…
インターネットが普及した現代、縞模様の謎について調べてみると親鳥が雛の個体識別するためという言及がありました。
「カンムリカイツブリに聞いたのか?」と問いただしたくなる私はへそ曲がり。
まくまでも人間目線による仮説に過ぎないと思いますが、そのように言われると納得できる自分が居ることも確か。
一家団欒の様子を見ているとバンの雛が付近を通過。
水面を進む雛を見ていると目の前に別個体が現れ、容姿に似合わないほど発達した足が目を引きました。
こちらの個体は足の色に変化が見られ成長の度合いが異なります。
四方八方から雛が現れ親鳥の元へと進むと確認できた雛の数は計7羽。
数を減らさず育雛できていることが伺え、子育て上手な親鳥なのかもしれません。
そこへカンムリカイツブリが現れるとバンを威嚇。
カンムリカイツブリの圧力が凄まじい。
雛を連れている時期だけに親鳥はかなりシビアになっているようです。
両種の力関係を眺めているとやや離れた場所にヨシゴイが飛来。
首を伸ばし辺りの様子を伺っていましたが、ブッシュを出入りする様子からもしかすると営巣していたのかもしれません。
同じ場所に居ながらにして三種を観察でき、これぞ一石三鳥。
観察の効率化を図る上ではこれほど良い条件はないでしょう。
再びカンムリカイツブリに視線を移すと雛が羽ばたき。
小さな翼が可愛らしい。
親鳥と同じ行動を取っても容姿が容姿だけに全ての行動に笑みが溢れます。
人間も含め生き物の赤ちゃんはどうして可愛く映るのでしょうか。
せっせと餌を運ぶ親鳥と片時も雛から離れない親鳥の様子を見ていると、雛たちの行動が激しいものに変わりました。
親鳥の背中を争って背後に回り込もうとしています。
『いい加減にしなさい』と言わんばかりに回転して拒む親鳥。
親鳥の動きに合わせて周囲をグルグルと回る雛たち。
争奪戦の軍配は末っ子に上がりましたが、親鳥が意図的に仕向けた結果なのでしょうか。
真相については分かりませんが、背中に乗った末っ子はご満悦の様子。
しかしこうして親鳥の背中に乗っていられるのもあと僅かでしょう。
無事の成長を願い観察を終えましたが、今頃は自分の力で魚を獲れるようになっているかもしれません。
この日の観察は想定と違う形になったものの、単に写真を撮るのではなくしっかりと観察をすることができ充実感のある休日となりました。
8月に入り過酷な暑さはこれからが本番。
外へ出ることすら億劫に思いますが、無理のない範囲で観察を楽しみこの夏を乗り切りたいと思います。
本日の観察日記はここまで。