2026年7月6日
本日更新の日記は5月31日の観察から。
春の渡りも一段落した5月最終週。
この休日はコシアカツバメの観察をするため繁殖地へ足を運びました。
秋田県以南の地域では普通種として見られるコシアカツバメですが、本県においては局所的に繁殖する希少種。
この希少なツバメを観察したい一心で2015年に繁殖地を突き止めて以降、継続して観察を行っています。
今季の渡来数は過去最大。
5月26日、業務中に繁殖地を通過すると道すがら見られたのは60〜70羽の群れ。
嘗ては数えるほどだったコシアカツバメも年々数を増やしていることを目の当たりにして非常に嬉しく思いました。
こうした様子から今回の観察を計画しましたが、先ずは巣材集めの様子から。
こちらはコシアカツバメの観察において最も条件良く観察できる水溜り。
しかし温暖化の影響により、水捌けの悪かった水溜りも直ぐに干上がってしまい、近年は観察しにくい場所から巣材を集めるように。
今回は観察日の二日前に纏った量の降雨があり、観察としてはベストなタイミングでした。
コシアカツバメを目的に水溜りを眺めていましたが、飛来回数が多かったのはツバメ。
この時は上空に余所者のツバメが現れ警戒している様子。
口いっぱいに泥を咥え、ツバメもまた巣造りに忙しかったことでしょう。
巣材集めの観察を終えてからはコロニー(集団営巣地)へ。
嘗てのコロニーはスズメによる巣の乗っ取りが多発して以降、コシアカツバメは営巣場所を転々としました。
現在のコロニーは観察に適さない場所にあるため、近年は電線に止まる姿や飛翔する姿を見る程度。
それでも徐々に個体数が増えていくことを嬉しく思い、遠くから見守っていましたが…
数年前、コロニーとなった建物の管理者と話をする機会があり『軒先が糞によって汚れるため、巣の撤去を考えている』との話がありました。
この話を受けて、本県においては希少なツバメであることを説明した上で「できることであれば温かく見守って頂ければ…」と伝えたところ、先方は快い返事をくださり今日に至ります。
そして過去最大の渡来数となった今季、コロニーを形成した建物からオーバーフローする個体が出るのではと考えていましたが…
コロニーを飛び越し、更に先へ巣材を運んでいると思われる個体を複数確認。
飛んで行く方向にあるのは嘗ての営巣地。
もしやと思い車を走らせると視界に飛び込んできたのは、朽ち果てた巣を補修するコシアカツバメ。
口に含んだ泥を丁寧に盛り付けていました。
その様子は動画でも。
雌雄のコシアカツバメは交互に巣の補修を行っており、こちらは外壁にしがみつき順番を待っている場面。
営巣地を見て回ると既に補修を終えて嘗ての姿を取り戻した巣も見られ、一部には朽ち果てたままの巣も。
今後更に個体数が増えても当面は営巣場所に困ることはないでしょう。
来季にはこちらも補修が行われ嘗ての姿を取り戻すかもしれません。
但し、スズメによる乗っ取りが再び横行した場合、こちらへ寄り付かなくなる可能性もあるため今後の動向が気掛かりです。
嘗ての場所で観察できたことを感慨深く思っていましたが、この場所で電線に止まる姿を見たのは何年ぶりだったでしょうか。
久しぶりに見る光景とあって、営巣地を突き止めた当時を懐かしく思いました。
こうした様子を眺めていると、こちらの営巣地も飛び越す個体が見られ、行く先を追ってみたところ…
驚いたことに第二の営巣地にも嘗ての姿が。
この場所もまたスズメによる乗っ取りが横行してコシアカツバメは姿を消していましたが、まさかこちらにも戻っていたとは。
この日は驚きの連続でしたが、スズメの乗っ取り以上に気掛かりだったのは今年の猛暑。
記録的な猛暑が予想される今年、この暑さがコシアカツバメの繁殖にどのような影響を及ぼすか私には分かりません。
そのため繁殖が順調に進むことだけを願って営巣地を後にしましたが、繁殖状況については今後機会を設けて様子を見に行きたいと思います。
本日の観察日記はここまで。