2025年4月7日
新年度最初の日記は遡ること昨年12月22日の話題から。
この日は関東にお住まいのお客様よりガイドの依頼を頂き大潟村を中心に観察を行いましたが、当日の様子については1月13日付の日記で公開している通り。
しかしながら諸般の事情によりこれまで掲載できない話題があったため今回は当日の振り返りから始めたいと思います。
お客様のリクエストを受けてこの日はコミミズク・オオワシ・オジロワシ・チュウヒ・トビ・ノスリ・ハイイロチュウヒと様々な猛禽類を見て回りましたが、もう一つのリクエストにあったシジュウカラガンを探していた時の出来事。
やや離れた場所に止まるチョウゲンボウを発見。
ここからが未掲載分。
距離が距離だけにお客様の目には入らず居場所の説明に四苦八苦していていると…
「え…? お客さん!! イヌワシ飛んでる!!!! 」
俄に信じ難い状況に『このガイド、一体何を言ってるんだ』と思われたかもしれません。
私自身、自分の目を疑ったほどでした。
しかし飛翔時に見られる翼下面の特徴は紛れもなくイヌワシの幼鳥。
オオワシやオジロワシの幼鳥や若鳥はこの様な特徴を持たないため目にした瞬間強烈な違和感を覚えました。
秋のタカが渡る時期、親鳥の縄張りから追い出された若いイヌワシが新天地を求めて迷行するという話を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
嘗て男鹿半島に二週間ほどイヌワシが居着いたという話を耳にして憧れを持った時期もありましたが、2017年10月1日タカの渡りの観察中に迷行するイヌワシを目撃。
こちらは当時撮影した写真。
観察地はイヌワシの生息環境になかったこともあり直ぐに迷行個体と判断できましたが、翌日には同個体が山形県で確認されました。
翌年の同時期にも迷行するイヌワシの確認があったものの今回私が目にしたのは山の無い大潟村。
ましてや季節は年の瀬が迫った12月下旬。
田んぼ巡りをしていてイヌワシを見るなど夢にも思わず、同日中にイヌワシの迷行個体を確認したとして野鳥の会秋田県支部長宛に記録の報告をしたところ驚きの返信が…
支部長によると11月末に確認があり関係者の間で内密にしていたのだとか。
つまり初認から約一ヶ月が経過していることになります。
まさか居着いているなどとは思いもよらずX(旧Twitter)にモニター画像を掲載してしまった経緯もあり、これ以降イヌワシの話題には触れないようにしていました。
幸い確認した場所に触れていなかったこともあり不特定多数の人が殺到するということはありませんでしたが、もう少し考えることができればSNSに掲載することはなかったでしょう。
これは私の失敗であり反省すべき点です。
こうした事情からこれまで掲載を控えていましたが、居着いたイヌワシにとって大潟村は恰好の狩り場になっていたかもしれません。
大潟村にはヤマドリの代わりとなるキジが多くノウサギも生息しています。
時にはガン・カモ類を狙うこともあったでしょうか。
12月22日の確認以降もう一度観察したいという思いから足繁く大潟村へ通いましたが、シーズン中にこれほど大潟村へ通ったのは何年ぶりだったでしょう。
運が良ければ田んぼに佇むイヌワシが見られるのではと週末毎に探して回り、来る日も来る日も捜索を続けたものの目にする大型猛禽はオオワシとオジロワシのみ。
空振り続きの結果に「大潟村を離れたのでは?」と思った1月下旬、先輩よりイヌワシを確認したという報告が…
この報告を受けて下火になっていた捜索熱が再燃。
二度と無いであろうこの機会を活かさなくては後悔だけが残るはず。
2月に入ってからは強烈な寒波の影響を受ける日が多く捜索は難航したものの、イヌワシがもう暫く留まることを期待して大潟村へ通い続けましたが…
これまでの観察日記に綴った通り❝お目当ての鳥❞を見つけることはできませんでした。
たった一度とは言え農地で確認できたことを貴重なものとして3月上旬に捜索を断念。
その後耳にした風の便りでは2月2日が終認だったそうです。
残念ながら夢に描いた光景を見れずに終わりましたが、イヌワシを捜索する傍ら楽しく観察することありました。
大潟村のポテンシャルを改めて感じ取ることができたのはイヌワシのお陰と言ってよいでしょう。
大潟村に居着いたイヌワシは現在何処で暮らしているのか分かりませんが、新天地では新たな命を育み森林生態系の頂点として日本の空を飛び続けてくれることを願ってやみません。
本日の観察日記はここまで。