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2026年7月20日

 

 

 

本日更新の日記はコチドリの観察記。

 

毎年職場に渡来するコチドリですが、今年は6羽の個体が渡ってきました。

 

例年4月上旬ともなると先に渡来した雄が飛び回り、雌を呼び込む姿は春の風物詩。

上空を飛び回りながら「ピウー、ピウー」と大きな声でアピールを繰り返します。

 

地面に小さな「窪み(巣の候補地)」を幾つか作り、雌がその誘いに応じて窪みに座り込めばプロポーズは成功。

やがて窪みに産卵すると雌雄交代で抱卵を始めますが、ここから私の出番。

職場は車両の往来が激しいため、いつ卵が踏み潰されても不思議ではありません。

 

そのため営巣場所を守ろうと、これまで立ち入り禁止にしたり、バリケードで囲ったりと出来る限りのことをしてきました。

 

こちらは今季の営巣場所の一つ。

 

 

コチドリの抱卵日数は22〜25日ですが、業務多忙だった今春は抱卵開始の時期を把握できず、孵化予定日を予想することができませんでした。

 

 

そろそろ孵化するだろうかと思っていた矢先の6月3日。

仕事を終えて職場へ戻ると、営巣場所付近で4羽の雛を確認。

 

雛の容姿から孵化後3〜4日経っていたでしょうか。

 

親鳥の鳴き声に反応しつつも好き勝手動き回る雛は危険がいっぱい。

営巣場所は守ることができても、何処へ動くか分からない雛を守ることはできません。

 

例年、職場で繁殖した雛が飛べるまで成長できるのは1ペアにつき1羽程度。

 

私にとって気の抜けない日々が始まりました。

 

 

雛を確認してから3日後の6月6日。

この日の秋田市は未明から本降りの雨となり、12℃まで気温が低下。

職場へ着くと傘代わりになって雛を温める親鳥の姿が。

 

 

親鳥の懐に潜り込む雛でしたが、定期的に親鳥の元を離れる雛たち。

採餌のための行動です。

 

 

しかし雛にとってこの日の雨は相当冷たく感じたことでしょう。

ものの1分もすると『やっぱり寒い』と言わんばかりに親鳥の元へ。

 

 

こうした行動を何度か繰り返していると、時には離れた場所へ駆けることもあり親鳥も気が気でない様子。

 

雛の後を追っては声を張り上げ、雛を呼び寄せる場面が何度も見られました。

 

 

こちらは雨脚が強まった時の場面。

じっと耐える親鳥の姿は動画で記録。

 

 

雛の動きに翻弄されながらも、親鳥は統制を取ろうとしていましたが、親の心子知らず。

 

雛たちは好き勝手に動き回ります。

 

 

もし雨が降っていなければもっと大胆に動き回っていたことでしょう。

 

 

この行動こそが命を落とす要因。

 

誰も立ち入ることのない場所であれば捕食者に対する心配だけで済みますが、職場ではそういきません。

 

 

親指にも満たない大きさの雛とあって、私ですら見落とすほど。

他の職員であれば尚更です。

 

 

雛が飛べるようになるまで3〜4週間ほど要しますが、今季は何羽の雛が成長できるのかと、物思いに耽けながら親子の様子を眺めていました。

 

 

6月6日の観察以降、私は心労の激しい日々を過ごすことに。

塒と思わしき場所は車両の往来が激しいため、他の職員が出社する前にコチドリ親子を移動させなくてはなりません。

 

静まり返る早朝の職場へ誰よりも早く出社して、比較的安全な場所へと移動を促します。

 

勿論、私の気持ちなど伝わるはずもなく、親鳥は雛を守ろうと警戒の声を発して偽傷のポーズを見せることも。

 

 

親鳥に対しては心苦しさもありましたが、全ては4羽の命を守るため。

 

比較的安全な場所へ移動させたところで朝の日課は終了となりますが、雛の成長は著しく、6月11日には親鳥の半分ほどの大きさになっていました。

 

こちらは親鳥の声に反応して伏せた場面を撮影したもの。

 

 

この行動が最も恐れるもので、幾ら大きくなったとは言え、他の職員の目には入りません。

 

私の目の届かない間に踏み潰されてはいないかと気を揉んでいましたが、稚内の旅行から戻った6月15日も4羽の無事を確認。

相変わらず危険な場所に伏せてしまいますが、雛の成長を見ることができました。

 

 

この翌日の6月16日はカメラを持って職場へ。

 

早朝の誰も居ない時間帯に雛の様子を観察してみると、伸びをする場面を目撃。

羽の伸長具合いが見て取れます。

 

 

日を追う毎に成長する雛でしたが、容姿だけで言うなら幼鳥と呼んだ方が正解かもしれません。

 

6月21日の休日はヨシゴイの観察後、誰も居ない職場へ行ってみると安全なエリアに家族の姿がありました。

 

 

この頃になると私に促されなくとも安全なエリアで過ごすようになり、幼鳥4羽の無事も確認。

 

 

早ければこの週末にでも飛べるのではと思いましたが、まだもう少し先のようでした。

 

好き勝手に動き回っていた雛たちは、この頃になると統制が取れるようになり、親鳥は高い所から監視。

 

 

監視役は雌雄が交代で行い、その間隔は約一時間。

 

私の役目もあと少しと、日々見守りを続けると…

 

 

6月23日の朝。

短い距離でしたが2羽の幼鳥の飛ぶ姿を目撃。

更に6月25日の朝には全ての個体が飛んでおり、見た目にも親鳥と遜色ない姿に。

 

職場において全ての個体が無事成長できたのは初めてのケースです。

本当に感無量の朝でした。

 

こうして約一ヶ月に渡る私の役目は無事に終わりましたが、危険が無くなった訳ではありません。

 

これからどの様な生涯を過ごすか私には想像もつきませんが、どの個体も立派な親鳥になることを願うばかりです。

 

 

今季のコチドリ観察記はここまで。