2025年10月27日
本日更新の日記は10月5日の観察から。
農繁期が一段落する10月上旬。
丁度この頃は渡り鳥の移動が活発となり夜間に移動する鳥たちの声が頻繁に聞こえます。
自宅近くの農地には渡り鳥が立ち寄ることも多く、近年この時期に観察するようになったのはセキレイ科の旅鳥。
渡りのハクセキレイが群れるようになるとツメナガセキレイやムネアカタヒバリが混ざるため、この日は旅鳥をお目当てに農地での探鳥を計画しました。
先ずは指標となるハクセキレイを探すことから始めると、稲刈り後の田んぼにちらほら姿はあったものの群れと呼ぶには寂しい数。
期待値の高かった枝豆畑は未だ収穫が行われておらず、ハクセキレイの代わりに見られたのは沢山のノビタキ。
孫生え(ひこばえ)が伸びた田んぼにはタシギが少数。
お目当ての鳥が見つからず農地を徘徊していると上空から『チーッ』というムネアカタヒバリの声を耳にしました。
複数の個体を目視で確認できましたが、いずれの個体も田んぼへ降りる様子は見られず遥か彼方へ…
この直後、今度はマガンの声が。
私にとって今季初認の個体群です。
こちらの群れは南東の方角へ向かっていたため、宮城県で越冬する個体群なのでしょう。
冬鳥の渡来を目にして季節の移ろいを感じていましたが、お目当ての旅鳥は観察できそうにもなく目的を変えようと思った矢先の出来事。
農道脇の草地から小鳥が飛び出すと僅かに残った稲穂へ潜る姿を目撃。
見下ろす形で見えた羽衣は緑褐色。
丸みを帯びた尾羽に稲穂へ潜る姿形とその生態。
どう考えてもシマセンニュウとしか思えません。
数年前、ジシギの観察中にシマセンニュウとマキノセンニュウを目にして以降、田んぼでは常に両者の存在を意識するようになりました。
しかしセンニュウ類の多くは7月下旬〜9月中旬までに本県を通過するという認識であったため、私にとっては「まだ居たのか」といった気持ちが正直なところ。
問題は証拠写真を押さえることができるのか。
繁殖地の北海道では容易に観察できても渡りの個体は潜行性が強くなるため、出会いを活かせる機会は滅多にありません。
但しこの時に潜った稲穂は極めて限定的な範囲。
この機会を逃すまいと強い意気込みで待ったところ、稲穂からシマセンニュウと思わしき鳥が飛び出し農道脇の側溝へ移る姿を目にしました。
双眼鏡で確認すると紛れもなくシマセンニュウ。
この時に押さえた証拠写真がこちら。
証拠写真の撮影に成功したものの、これでは地元らしさが伝わりません。
稲穂と絡めた写真が撮れてこそ地元らしが表現できると考え、再び稲穂へ飛び移る瞬間を待ちましたが気配すら感じられず…
動向が掴めずやきもきしていると、何気なく移した視線の先にシマセンニュウが。
「いつ間に移動した???」
農道から田んぼを正面に見た時、側溝へ飛び移ったのは10時方向。
しかしこの時姿を現したのは2時方向。
不可解な姿の現し方に「ワープでもしてんのか?」と思いましたが、そんなはずはありません。
外の様子を伺うように顔を覗かせたシマセンニュウは再び稲穂の奥へ姿を消したため、農機の搬入路へ車を移し観察角度を変えてみることに。
これが功を奏し、行動の謎が明らかになりました。
決定的場面を押さえた画像がこちら。
農道から死角となる側溝の中を移動していたシマセンニュウ。
側溝から飛び出ると今度は更に範囲が限定される場所へ潜る姿を目撃。
僅かこの程度の稲穂であればシマセンニュウの動きは解り易くなるでしょう。
暫く動向を探ると倒伏した稲の上に姿を現し、この時の写真は地元らしさを表現できました。
ここで素朴な疑問。
これまでの観察例から渡りの個体は稲穂へ潜ると考えていますが、繁殖地の北海道でも田んぼで見られるのでしょうか。
もし同様の環境で見られるのであれば、この時の努力は無駄だったような…
話は脱線してしまいましたが、見え隠れするシマセンニュウを注視していると畔の上へ。
地面を走る姿はまるでネズミです。
畔から姿を消したと思えば雑草の隙間から現れたりと、忍者のような鳥だと思わされました。
今回の観察例は行動範囲が極めて限定的であったため、運に味方されたと言っても過言ではありません。
正に棚から牡丹餅。
この日は当初の目的とは全く違う内容になりましたが、結果だけを見ると良い成果が得られたと思います。
いつの日か地元でエゾセンニュウも観察できればと思っていますが、一体いつになることやら…
本日の観察日記はここまで。