2025年2月24日
本日更新の日記はバードウォッチングガイド記。
遡ること先月18日、この日は関東在住のお客様よりガイドの依頼を頂き大潟村を中心に観察を行いました。
依頼の内容としては主にハクガン、その他に大潟村で見られる鳥を全般的に観察したいというものでしたが希望する時間は半日程度とのこと。
時間に制約のあるなかどれほどの観察ができるのか見通せませんでしたが、現地へ到着するまで雑談を交えながらガイドの流れについて説明していたところ驚きのお話が。
奥様が秋田県出身ということもあり度々秋田へお越しになっているというお客様。
昨シーズンはお一人で大潟村の観察を楽しまれたそうです。
当時の様子を詳しく伺うと…
『大潟村まで電車とバスを乗り継ぎ、歩いて回ったら遠くにハクガンが見えました』
「え…」
私にとっては椅子から転げ落ちるほどの衝撃。
どれほど衝撃的な話であるのか他県の方向けに説明すると、大潟村の面積は東京都の山手線がすっぽり入るほど。
とてもではありませんが徒歩で観察できるような場所ではありません。
お客様が仰るに『広過ぎて大変だった』とのことでしたが遭難しなくて何より…
この武勇伝をお聞きし益々期待に応えなければと思わされましたが、大潟村へ着いて始めに観察したのはチョウゲンボウ。
雪が舞うなかでの撮影だったこともあり北国らしい写真を撮ることができたのではないでしょうか。
チョウゲンボウを撮影して間もなく、お客様のお目当てであるハクガンを発見。
こちらの付近では大小幾つかの群れが見られたもののお客様の目にはハクガンが映らない様子。
ほんの一週間前まで春を思わせる景色の大潟村でしたが、ガイド当日は真冬の景色に逆戻りしてしまい雪景色に溶け込むハクガンは地元の者であっても見落としてしまうほど。
ハクガンの居場所については背景を目印に説明しましたが、最も説明に苦慮したのは一番大きな群れ。
こちらの群れは規模の割りに目立たず双眼鏡を覗くまで私も気付かないほどでした。
群れの規模が規模だけに車の移動には細心の注意を払い、私が限界と判断する位置へ辿り着いてようやく群れを認識されたお客様。
近くで見るハクガンに大喜びの様子でしたが寝ている姿にはやや不満な様子。
首を上げている姿より休む姿にこそ価値があると説明していたところ上空からハクガンの鳴き声が。
何処からか別の群れが飛来し、こちらの群れに合流することが予測できました。
お客様にシャッターチャンスであることを伝えカメラを構えてもらうと…
私の期待を裏切り奥の群れに合流したハクガンたち。
目の前の群れに合流すると思ったのですが世の中そんなに甘くなかったようです。
それでも着陸のシーンを見ることができたお客様は大喜びの様子。
昨シーズンの苦労も相俟ってこの時のシーンは格別なものだったことでしょう。
心ゆくまでハクガンを観察して頂いた後はオオワシの観察へ。
秋田を除き他県で観察することがないというお客様はオオワシの観察についても相当な期待を寄せていたそうです。
その期待に応えてくれたオオワシ。
初めて見るオオワシに興奮気味の様子でしたが、飛び立ちまで待って頂き飛翔シーンを撮影。
オオワシは所定の位置へ戻ったことを確認できたためそちらでもじっくりと観察することに。
オオワシの観察中、付近にオジロワシが飛来する場面もありガイドする身としてもラッキーな展開でした。
オオワシの飛翔シーンについては先に撮影できていたことから飛び立ちを待つことなくクロガモの観察へ。
行き掛けの駄賃で氷上のハクチョウを撮影しましたが、温暖化の影響によりこうした光景を見る機会は年々減りつつあるように思います。
クロガモが見られる港へ着くと比較的近い距離に浮かんでいたのが幸い。
お客様にとってはクロガモも初見とのことでじっくりと観察して頂くことに。
採餌の様子を見ていると運良く1羽のクロガモがこちらへ寄ってくる場面があり、撮影の条件としては申し分なかったと思います。
クロガモの観察を終えて農地へ戻る途中、視界の片隅に入ったのはキツネの姿。
『キツネまで見れるとは思わなかった』と驚いた様子のお客様。
秋田で見られるホンドギツネは一目散に走り去ってしまうことが多いため、ゆっくり見ることができたこの時は運が良かったと思います。
ミヤマガラスとコクマルガラスも見たことがないというお客様より観察のリクエストがあり、観察地点を目指しているとオジロワシが上空を旋回。
この様子を眺めていると徐々に高度を下げ頭上を通過。
曇天と重なり写真としては残念でしたが相手側から接近してきたこともあり迫力ある場面に感じられたのではないでしょうか。
観察地点へ着くと一斉に飛び立つミヤマガラスに驚きの様子。
ハシブトガラスやハシボソガラスとは異なり警戒心が強いことを説明しながらコクマルガラスを探すと…
無事に発見できたものの観察するには遠過ぎました。
距離を縮めたいところでしたが迂闊に近付いたところで飛ばしてしまうのは関の山。
そこで様子を伺いつつ観察のチャンスを待つことに。
流石に単独ということはありませんでしたが、群れから少し離れたタイミングを見計らい接近を試みると運良く成功。
初見のオンパレードに『帰ってから写真の整理が大変、これこそ嬉しい悲鳴だ』という言葉を聞くことができ、ガイドする身として喜んで頂けたことが何より。
約半日のガイドはあっという間。
私としてはもう少し他の種も見てもらいたいところでしたが、帰りがけにホオジロガモを撮影してこの日のガイドを終えました。
短い時間でしたが大潟村の観察を満喫できたでしょうか。
Oさん、寒いなかでの観察お疲れ様でした。
また機会がありましたら秋田での観察をお楽しみ下さい。
本日のバードウォッチングガイド記はここまで。