2025年3月31日
本日更新の日記は2月23日の観察から。
最強・最長寒波が襲来した2月下旬。
寒波の影響は約一週間に及び、最終週の三連休も季節外れの寒さに見舞われました。
連休初日は大潟村を中心に探鳥を重ねましたが結果は前週更新の日記に綴った通り。
諦めの境地を通り越し既に諦めの気持ちでいたものの何処か義務感にも似た気持ちで大潟村へ繰り出してみると…
農地を見渡すようにポツンと佇むコミミズクを発見。
早朝の誰も居ない時間帯、早起きは三文の徳。
実際のところ一文銭三枚分の価値が現代においてどれほどになるのか分かりませんが、まるでモデルのように振る舞うコミミズクはプライスレス。
全く警戒心を感じさせない個体ということもあり様々な構図で撮影を楽しませてもらいましたが、私にあったのは狩り始めないかという淡い期待。
しかし私の期待を余所に飛ぶ気配は全く無し。
同じ姿勢を維持したままでしたが唯一見られた動きは脱糞でした。
この頃は毎晩のように吹雪いていたこともありフクロウ類の飢えを心配していましたが、しっかりと餌を獲ることができていたようです。
いつ飛ぶかも分からないコミミズクに別れ告げてその場を離れるとバックミラー越しに見えたのはカラスに追われて飛び回るコミミズクの姿。
Uターンした時には時既に遅し。
カラスを振り切ったコミミズクは100mほど先に降りてしまいました。
数分前まで見ていたコミミズクとはまるで別個体のような雰囲気。
羽角を立て首を激しく動かしカラスを警戒している様子が伺えます。
草むらに身を隠したこともあり余程のことがない限り飛ぶことはないでしょう。
そのため本来の目的に舵を切り直し農道を進むと前日も観察していたホシムクドリを目にしました。
この日見られた個体の多くは胸から腹部にかけて疎らに換羽しており背には冬羽を残すといった特徴が。
撮影した画像を拡大してみると嘴の色が薄っすらと変化している個体も認められました。
なかには換羽が進んだ個体も見られ、目の届かない所では嘴の色が黄色に変わり完全夏羽仕様の個体が居たかもしれません。
其々の特徴を観察していると群れを成したムクドリに釣られて飛んでしまったため移動を再開。
ここで目に飛び込んできたのが農道脇に潜むコミミズク。
行きの時点で私は見落としていたようです。
目的が別にあったため当たり前と言えば当たり前の話ですが、それにしても上手く隠れるものだと感心させられました。
早々にこの場を離れ場所を転々としましたがやはりお目当ての鳥は見当たらず。
何故こうも見つけられないのか…
手持ち無沙汰に吹雪のなか飛び回っていたコミミズクの様子を伺ってみると思わず笑ってしまうような場所を塒に。
もう1羽の個体は50mほど離れた場所に隠れており、こちらは探す気にならなければ見つけられなかったことでしょう。
これまでに何度かお話してきた通り私はこそこそと隠れる鳥に強い興味を示します。
宝探しのような感覚と言えば分かり易いでしょうか。
こうした様子を上手く表現できればと試行錯誤を重ねていたところ全くの別個体が付近を飛翔。
前日は分かりませんでしたが、こちらの地域には3個体が生息していたようです。
フワフワと飛び回った個体は何をする訳でもなく葦原へと姿を隠してしまい、この日の観察はコミミズクとホシムクドリを見ただけで帰宅する羽目に。
連休最終日も懲りることなく大潟村へ繰り出す予定でしたが…
連休最終日となった2月24日、起床して外の様子を確認すると纏まった量の降雪があり大潟村での探鳥を断念。
連休明けの仕事に備えて職場の除雪をしなくてはならなかったため、この日の観察は簡素に済ませようと考えました。
そこで思いついたのが越冬クイナの観察。
秋田では観察難易度の高いクイナですが、積雪が増した時ほど行動範囲が限られるため狙って観察できる時こそチャンスを活かさなくてはなりません。
翌日からは急激に気温が上昇するとの予報もあっただけに今季最後のチャンスと探鳥地へ行ってみたところ…
以前観察した場所は藪に覆われており観察不可。
2羽のクイナが其々の縄張りを持っていることまでは突き止めていたのですが、見ることさえ許されない状態に呆然と立ち尽くしてしまいました。
観察を諦めるべきか思案していると突然聞こえてきたクイナの鳴き声。
藪が酷く何処に居るのか分かりませんでしたが近くに居ることは間違いないはず。
右往左往すること約10分、藪の中を動くクイナを発見。
視認性が悪く姿をはっきり見ることはできませんでしたが写真で見る以上にクイナの赤い嘴は目立ちます。
これこそ宝探し。
難易度が高くなればなるほど見つけた時の喜びは大きくなり、この時のドーパミン量はメーターを振り切っていたかもしれません。
クイナは小刻みに移動を繰り返しながら採餌しており、その一挙手一投足に注目。
「抜けの良い場所に出てきてくれ」と念じながら観察を続けると…
ドーパミン量を計測するメーターが壊れるほどの喜び。
こうした時間はほんの僅かでしたが、全身を拝めるとは思っていなかっただけに得も言われぬ達成感がありました。
その後の観察で分かったのは二年前に観察できた個体と同個体であること。
こちらの個体は頭頂の羽に寝癖のような特徴があり、行動範囲も同一であったことから同個体と判断して間違いないでしょう。
奥まった場所に居ることがほとんどでしたが、この日は隣の縄張りで暮らす個体が侵入してこなかったこともあり落ち着いた様子だったことが幸いでした。
凡そ一時間の短い観察でしたが想定以上の成果に充実感を持って職場へ向かったのは言うまでもありません。
現在は雪も無くなり明日から新年度を迎えますが、次週更新の日記ではこれまでに何度も口にしてきた「お目当ての鳥」についてお話したいと思います。
本日の観察日記はここまで。