2025年5月19日
本日更新の日記は4月16日の観察から。
観察日前々日の4月14日、天気予報を確認すると『16日は上空に寒気を伴った低気圧が北海道を通過するため北日本は午前を中心に風雨が強まるでしょう』との警戒が呼び掛けられていました。
天気図を見ると等圧線の間隔が狭く台風並み。
秋田県のピンポイント解説では西寄りの風が吹き荒れるという予報に珍鳥が出る予感。
しかしこの週は仕事が立て込んでおり、とてもではありませんがサボリーマンに変身できそうにもありませんでした。
そのため課業終了後の探鳥を楽しみにカメラを持って出勤しましたが…
蓋を開けてみれば思ったほどの風は吹き荒れず。
期待外れの空模様に探鳥の中止を考えましたが、念の為にと自宅近くの農地へ立ち寄ってみたところ農道を動き回る4羽のツメナガセキレイを発見。
意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、秋田県においてツメナガセキレイは珍鳥扱い。
※あくまでも個人的な評価。
春と秋の渡りの季節には多くの個体が本県または秋田沖を通過しているものと考えますが秋田県での観察例は多くありません。
その理由として考えられるのは探鳥地の偏り。
私自身、渡りの時期は男鹿半島を主体に探鳥することが多く農地での観察経験は数えるほどでした。
そのためツメナガセキレイをはじめとして旅鳥のセキレイ類は見落とされてきた可能性が大。
私が亜種ツメナガセキレイを初めて目にしたのは2010年11月23日のこと。
観察地は広大な農地面積を誇る大潟村。
当時は知識が浅く季節的にも冬羽であったことからハクセキレイだと思い込み、ツメナガセキレイと分かったのは随分後になってからだったと記憶しています。
翌年5月3日には亜種マミジロツメナガセキレイを発見。
こちらは自宅近くの農地でしたが、2011年9月の確認を最後にぷっつりと記録は途絶えます。
前述した通り、この背景にあったのは探鳥地の偏り。
男鹿半島での探鳥は思いもよらない出会いに恵まれることもあるため現在も足繁く探鳥を重ねていますが、近年は今一度原点に立ち返ろうと農地での探鳥も行うようになりました。
結果として現れるようになったのは一昨年の秋。
農地へ目を向けることによりムネアカタヒバリやツメナガセキレイの発見に繋がり、今回の記録もまた同様です。
冒頭お話した通りこの日は風の影響を考慮しての探鳥でしたが、思ったほどの風は吹かなかったため単にタイミングが良かっただけなのかもしれません。
この日見られた4羽のツメナガセキレイはいずれの個体も換羽中。
本県を渡り終えるのはいつ頃になるのか分かりませんが、夏羽となった個体の観察は難しいように感じます。
過去の観察例と照らし合わせてもGW後半頃に見つけることができれば真っ黄色の個体を観察できるかもしれませんが…
探したからといって見つかるかは別問題。
農道を動き回るツメナガセキレイは採餌に余念がなく、立ち止まっては駆け足を繰り返し肉眼では見ることのできない虫を捕食していましたが不規則な動きにカメラワークが追い付かず。
そのためピンボケ写真を量産する羽目となり画像選定時に残すことができた写真はほんの僅か。
落ち着いて撮影できたのは伸びの場面。
一連の動作では和名の由来となる長い爪を見ることができ、こちらの場面は画像を拡大。
後趾の爪が長いという特徴はツメナガホオジロにも見られますが、どの様なメリットがあってこうした進化を遂げたのか。
様々な角度から考察してみたものの適当な答えを見出すことができず…
探鳥を始めてから観察に至るまで然程時間を要しなかったものの、あれよあれよという間に暗くなり観察時間は正味30分。
野鳥観察において30分という時間は本当にあっという間です。
随分と感度を上げて撮影したこともあり、帰宅後に画像を確認するとノイズの目立つ画像ばかりでした。
湧き上がるのは写真に対する不満とその内容。
沸々と込み上げる不満に翌朝の観察を画策したものの…
一夜明けた4月17日の早朝、現地へ行ってみると蛻の殻。
周辺の田んぼを含め農道を丁寧に見て回りましたがツメナガセキレイの姿は見当たりませんでした。
残念ですがこればかりは仕方ありません。
野鳥観察は一期一会。
こうしてツメナガセキレイの観察はほんの僅かなものになってしまいましたが、改めて様々な環境に目を向けなければならないと思わされる観察例となりました。
この観察から4日後の4月20日、農地ではまたもや嬉しい出会いに恵まれましたがそちらのの様子は次週更新の日記に綴りたいと思います。
本日の観察日記はここまで。