2025年5月5日
本日更新の日記は3月20・23日の観察から。
春の渡りシーズンを迎え全国各地から珍鳥便りが届くようになった3月下旬。
本県においても珍鳥が見られるようになるのは3月中〜下旬頃ですが、春の先駆けとして渡来するのは神出鬼没のヤツガシラ。
道路沿いで見られることもあれば民家の庭先で見られたりと何処に出会いがあるのか分からないため見つけ出すには一日がかりの作業となります。
勿論探したからといって必ず見つかるものではありませんが、3月21日から22日にかけて予定が詰まっていたこともあり20日はヤツガシラに焦点を当てることなく午前のみの簡素な観察を計画しました。
限られた時間のなか一種でもしっかり観察できれば御の字。
例年この時期はホウロクシギが見られるため干潟のチェックから始めると、お目当てのホウロクシギは見当たらなかったものの前週更新の日記に取り上げたズグロカモメを再び見ることができました。
この日は『キーッ キーッ』という甲高い鳴き声を発しながら飛ぶことが多く、4日前(3月16日)に比べると飛んでいる時間が長かったように思います。
前回の観察から間もなかったこともあり換羽の状態に特段の変化は見られず行動パターンにも変わりはありませんでした。
そのためこの日は観察というよりも撮影を楽しんだといった内容に。
ズグロカモメの撮影を終えて次の探鳥地へ移動するとそこかしこにツグミの姿が。
冬季は極端に数の少ない年だと感じていましたが、2月中旬頃から徐々に数を増やしこのタイミングで例年通りの印象に変わりました。
全国的にツグミが少ない冬と言われていただけに何処で越冬していたのか不思議でなりません。
数多く見られるツグミのなかからワキアカツグミを狙ってみたものの易々と見つかるはずもなく…
唯一目を引いたのはこちらの淡色ツグミくらいだったでしょうか。
もっと丁寧なチェックをすると珍ツグミとの出会いを拾えるのかもしれませんが、道すがら見られるツグミは交通事情によって素通りしてしまうことも屡々。
丁寧な探鳥を心掛けてもいつの間にか雑になっている面も否めず、これまで見落としてきたケースも多々あったことでしょう。
「いつかは…」と思いつつ次の探鳥地を目指していると海岸で羽を休めるコクガンの群れを目撃しました。
数こそ少ないものの嘗ては行けば見られるといった印象でしたが、近年は観察の機会が減りつつあるように感じます。
この時は浜辺に寄ってきたこともあり比較的近い距離から羽繕いや採餌の場面をじっくりと観察。
コクガンを見ているうちに時刻は正午を迎え午前限定の短い観察はここまで。
翌日から埼玉県へ行かなくてはならなかったため早めの帰宅としましたが、埼玉県への移動手段は車だったこともあり21〜22日の二日間は慌ただしい時間を過ごしました。
無事に埼玉県から戻った翌日の3月23日は早朝から男鹿半島へ。
この日の前日は予報通り南西の風が吹き荒れる一日となったようですが、3月から4月にかけて強まる南風はバードウォッチャーにとって神風。
昨年は低気圧の通過後、ホオジロハクセキレイ・ヤツガシラ・クロウタドリ、更には本県初記録となるマミジロタヒバリを見つけることができ、過去にコシャクシギやオオチドリが出たという前例も。
このような前例から期待を持って男鹿半島を北上すると今季初となるコチドリを確認。
3月20日時点では見られなかったため渡来直後だったかもしれません。
ツバメの渡来と同様に春の訪れを感じる鳥とあって久しぶりの観察を楽しませてもらいましたが、現在はほとんどのペアが抱卵中のようです。
早いところでは今月下旬頃から雛を連れて歩く姿が見られるでしょう。
コチドリの観察後、場所を転々としたものの目ぼしい鳥は見当たらず…
そこで定番スポットを覗いてみるとシベリアジュリンが入っており、こちらでは4羽のシベリアジュリンの他、カシラダカやホオジロも多く見られました。
画像はシベリアジュリンが3羽纏まった時のもの。
私が野鳥観察を始めた当初に本県初記録があって以降、毎年春と秋に見られるようになりましたが観察の機会は年々増えています。
このようにシベリアジュリンの観察例が増えた一方、ツメナガホオジロの観察例は減っており、年による変動と捉えるべきなのかそれとも温暖化が影響しているのか…
定番スポットを早々に離れ南西諸島で見られるような鳥を探して回ると視界の片隅から飛び出したのはヤツガシラ。
地面ばかり見ていたことが仇となりの横枝に止まるヤツガシラに気付くことができず…
飛ばしてしまったヤツガシラは少し先に止まりましたが、警戒心が強まったのか直ぐに飛び去り証拠写真の撮影すら許してもらえませんでした。
この後、何度か目撃したものの採餌する気配が見られなかったため一旦時間を置いてみることに。
定番スポットへ戻りシベリアジュリンの観察にあたりましたが、2023年初冬に見られた個体群に比べると警戒心はやや強め。
慎重に車を動かしても一定の距離を保たれてしまいます。
そこで×1.4のテレコンを使用しましたが今一つピントが甘くシャキッとした写真になりません。
やはりテレコンの使用は良し悪し。
気温の上昇と共に陽炎の影響が顕著に表れ、これからの時期は撮影が難しくなることでしょう。
シベリアジュリンは往来する車に対して敏感な反応を見せていましたが、時間をかけることで運良く近くへ飛来する場面も。
頃合いを見計らってヤツガシラの捜索へ戻ると想定した場所に姿は無く何処を探してもそれらしき姿は見当たりませんでした。
もしかすると天候の悪化により一時的に立ち寄った個体だったのかもしれません。
目視のみに留まり残念に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私にとって今回の確認例は大事なデータ。
今後探鳥を続けるうえで渡り鳥の観察には気象条件のチェックも大事であると改めて思わされる一日となりました。
これからも気象条件と観察結果を照らし合わせ、より良い探鳥ができるようデータ取りを積み重ねたいと思います。
本日の観察日記はここまで。