2026年4月27日
本日更新の日記は今月5日の観察から。
春の渡りに遅れが生じていると感じた前週の観察。
この一週間、自宅上空を通過する渡り鳥の声に耳を傾けてみましたが、ひっきりなしに聞こえるはずの声はほとんど聞こえず、週末の観察も期待できる状態にありませんでした。
そのため今回は空振りを前提に男鹿半島へ足を伸ばしてみることに。
始めに覗いた港は閑散としていたものの、遥か沖合いにはアビ類の姿が多数。
観察できる距離ではなかったため港を離れようとしたところ、海側からコチドリが飛来。
陸地へ辿り着いた瞬間だったのでしょうか。
コチドリはこの場所から動こうとせず、あくびをすると睡眠の姿勢に。
長旅を終えたばかりだったのか、旅の途中だったのかは分かりませんが、そっとこの場を離れることに。
前週ほとんど見られなかったツグミやジョウビタキは数を増やしており、やはり今季は種によって渡りが遅れていたのでしょう。
海岸線を進むと目にしたのは今季初認となるツバメの姿。
こちらもまた例年より10日ほど遅れての渡来でした。
男鹿半島を転々として目にしたのは数多くのホオジロ。
ホオジロに限っては個体数が多いように感じ、期待が高まったものの…
いわゆる珍鳥と言われるような種は見当たらず。
多くのホオジロ類が立ち寄る場所で見られたのはコチドリ。
地元のバードウォッチャーにとって、こちらでコチドリが見られるのは珍しいケース。
違った意味での珍鳥です。
なかなか目新しい出会いに恵まれず徒歩での探鳥に切り替えたところ、今季初認となるノビタキを確認。
ノビタキについてはほぼ例年通りの渡来となるでしょうか。
夏羽に移行した雄は雌と行動を共にしており、このまま一緒に繁殖地へ向かうのかもしれません。
海沿いの田んぼを覗いてみると、自宅近くの田んぼと同様にこちらにもカシラダカの大群が。
更に抱卵中のケリの姿も。
鳥の数こそ多いものの何処を見ても変わり映えがなく、早々に男鹿半島を離れて秋田市へ戻ることに。
前週と同じ林道を進むと今回もヤマシギを目撃。
しかしこちらは警戒心が強く、林縁を駆けると藪の奥へ。
こういった行動を取られると私の気持ちに火がつきます。
再び同じ場所に出ることを期待して、その場に待機しましたが…
幾ら待っても姿を現さず。
結果的に林道の探鳥ではルリビタキの写真を撮っただけで終わり、何処を回っても空振り続きの一日となりました。
前週と同じような内容にフラストレーションは溜まる一方。
このまま帰宅する気にはなれず自宅近くの農地を巡回していると、目にしたのは複数のノビタキ。
雄が6羽見られ、いずれの個体もほぼ夏羽。
僅かに冬羽を残していましたが、もう間もなく綺麗な夏羽に移行することでしょう。
ノビタキの動向を伺っていると1羽が畑に移動すると他の個体も畑へ。
1羽が農道へ戻ると他の個体も農道へと、行動を共にしている様子が見て取れました。
果たしてこのノビタキたちはいつから行動を共にしていたのか。
同じ越冬地を離れた個体群なのか、途中で合流したものなのか興味が尽きません。
気になるのは今後の行き先。
本州を伝った個体は北海道で繁殖するものと思っていましたが、それは嘗ての話。
この常識を覆したのは2016年8月22日に森林総合研究所・山階鳥類研究所・北海道大学などの共同研究グループより発表された研究結果。
・大陸ルート(北海道の個体)
北海道で繁殖するノビタキは、秋になると本州を経由せず、日本海を越えて直接大陸(サハリン、ロシア沿海州、ハンカ湖周辺など)へ渡り、そこから南下して東南アジアで越冬するようです。
・日本列島ルート(本州を通過する個体)
一方で、春や秋に本州の平地を通過する個体は、この「大陸ルート」を使わない個体群。
これらは本州の高原地帯(霧ヶ峰や日光など)で繁殖する個体、あるいは本州を伝って更に北のサハリンや千島列島方面へ向かう個体群なのだとか。
この研究により「本州で見かける旅鳥のノビタキ=北海道産」というこれまでの説は否定され「本州を通過する群れ」と「北海道で繁殖する群れ」は渡りの仕組みが根本的に異なることが科学的に裏付けられたそうです。
研究結果に照らし合わせると、私が目にした個体群は北海道を越えて更に北の地域へ渡るはず。
こうした事実を知ることにより、地元で見るノビタキは「海外の鳥」といった印象に変わりましたが、今後もこれまでの常識を覆すような研究結果が発表されるかもしれません。
この日はノビタキを観察することによりそれなりの満足感を得られたものの、このまま春が終わってしまうのではという不安を抱えながら探鳥を終えました。
本日の観察日記はここまで。