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2026年4月6日

 

 

 

本日更新の日記は3月8日の観察から。

 

秋田市周辺で見られていたガン・カモ類も姿を消し、野鳥観察としては端境期に当たる3月上旬。

 

この時期は探鳥地の選定に苦慮させられますが、観察日前日の3月7日(土)は発達した二つの低気圧が北日本を通過しました。

 

 

こうした天候の後に期待できるのが渡りの珍鳥や沖合いに生息する海鳥。

時期的に渡りの珍鳥はまだ早かったため、休日はアビ類やカモメ類に期待して海沿いをチェックしてみることに。

 

 

大荒れの天候から一夜明けると前日ほどの暴風はなかったものの、依然として風の強いお天気。

秋田県沿岸には波浪注意報が発表されていました。

 

最初の探鳥地は大きな港。

こちらは過去の観察例から期待を持っていましたが、意外にも港は閑散とした様子。

 

所々に浮かぶスズガモ・ホシハジロ・ウミアイサ・ハジロカイツブリ・アカエリカイツブリ・カンムリカイツブリを確認して次の探鳥地へ。

 

次の港を覗いてみると船揚場にコクガンを発見。

 

 

6羽見られたうち1羽は昨年生まれの若鳥。

成鳥は周囲の様子に敏感でしたが、若鳥からは警戒心を感じません。

 

 

あおさ(海藻)を食べる様子や羽繕いを見ていると、1羽が水面へ。

 

 

水面と船揚場の行き来を繰り返し、観察を始めて30分が経過した頃に全ての個体が船揚場を離れました。

 

 

コクガンは港内へ留まっていたものの、期待するべき鳥が他にあったため次の探鳥地を覗くとカモメ類が沢山。

 

 

この日は外洋性のミツユビカモメを期待していましたが、残念ながら姿は見当たらずアビ類も確認できませんでした。

 

しかし前日荒れた影響からか海沿いにはカモメ類が多く、このように活気のある雰囲気は久しぶりだったように思います。

 

 

港を埋め尽くすほどのカモメ類を観察できたのは過去の話。

ハタハタが接岸しなくなって以降、その姿もめっきり少なくなり冬の風物詩を見ることもなくなりました。

 

港を転々としたものの、私の読みは外れて空振りの連続。

しかし野生の生き物が相手とあって、思い通りにいかないのも当然です。

 

この日は運が無かったと潔く諦め、帰路についていると…

 

 

目にしたのは水面に浮かぶカモメ類の群れ。

 

 

「怪しい」と思い双眼鏡を覗くと予想が大当たり。

相当数のミツユビカモメが混ざっていました。

 

この日は海沿いを北上する形で探鳥を行ってきましたが、これまで確認できなかったことを不思議に思うほど。

 

地形に沿って飛ぶ個体をチェックするとこちらにもミツユビカモメが多く混ざっており、僅か数分のうちに確認できた数は100羽を超えたでしょうか。

 

 

こうした様子から見晴らしの良い場所へ移り、ミツユビカモメの動向を探ってみると留まることを知りません。

 

 

他のカモメ類に比べて沖合いを通過する個体が多かったものの、翼上面の特徴と体長から同定は容易。

 

 

そのためミツユビカモメだけに狙いを絞って観察することができ、これまでに経験したことのない群れを数えました。

 

 

ここでふとした疑問。

この大規模な群れは一体何処から現れたのか。

 

外洋性のため正確な分布域は分かりませんが、冬季はサハリンの西や宗谷海峡に滞留している個体が多いそうです。

 

しかし低気圧の影響により北海道西沖から押し出され、日本海を南下した個体が秋田沖へ到達したのではないかと考えました。

 

 

今回観察を行った男鹿半島は地形的な特徴から外洋に最も近い陸地。

 

 

つまり男鹿半島が流されてきたカモメ類の受け止め場所となり、外洋性のミツユビカモメも滞留していたのかもしれません。

 

 

この日は地形に沿って多くのカモメ類が帯状に移動しており、ミツユビカモメもまた同様の動きをしていました。

 

 

高台から低地へ場所を移して観察に当たると、僅かながら距離が近くなり個体毎の特徴を見られることも。

 

こちらは成鳥冬羽の個体。

冬季に観察できる最も一般的な特徴です。

 

 

次に掲載するのは幼鳥の個体。

翼上面に黒いアルファベットの「M」字状の斑紋が見られ、これが最も分かりやすい特徴でしょうか。

尾羽の先端が黒いという特徴も見て取れます。

 

 

私にとっては二度目の観察となるのが成鳥夏羽の個体。

ご覧頂いて分かる通り成鳥夏羽は頭部が真っ白。

 

 

この時期だからこそ見られた特徴と言えるでしょう。

 

私が初めて夏羽を目にしたのは2019年4月。

秋田〜苫小牧航路で海鳥観察を行った際、これまでに見たことのない特徴のカモメを目にして当時はミツユビカモメだと思いもしませんでした。

 

下船後に調べて分かりましたが、この時に特徴を覚えていなければ今回も分からなかったかもしれません。

 

 

低地へ場所を移してから一時間が経過した頃、カモメ類の動きに合わせて私も場所を移動することに。

 

見晴らしの良い岬の先端へ立ってみましたが、こちらは風の影響が強く観察を断念。

 

 

しかし地形に沿って移動する様子を確認できたため、再び低地へ戻り観察を継続しました。

 

 

この日、目視で確認できたミツユビカモメは1500羽以上。

おそらく数千羽の個体が秋田県沿岸を移動していたと思います。

 

大規模なミツユビカモメは山形県や新潟県でも確認されたという情報もあり、総合すると万単位の数に上ったと見てよいのではないでしょうか。

 

 

今回は気象がもたらした現象として貴重な記録となりましたが、今後も時期と気象に留意して海沿いの探鳥を続けたいと思います。

 

本日の観察日記はここまで。