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2025年 野鳥観察の旅 in 道東 (7月) ②

 

 

前回のあらすじ。

 

今年の夏も猛暑に見舞われることを見込み、涼を求めて計画した道東の旅。

 

初日は涼しいを通り越し上着を羽織らなければ居られないほどの寒さでしたが、これぞ北海道という空気感とギンザンマシコの観察を楽しむことができました。

 

 

日程二日目は海鳥の観察を計画していたものの、強風の影響によりクルーズ船がまさかの終日欠航。

 

そのため午後便の欠航が決まった時点で羅臼町を離れ、午後からは別海町の野付半島へ行ってみることに。

 

 

2025年7月12日

 

 

中標津町の繁華街から海沿いへ進むと風が強まり平地に居ながらにして晩秋を思わせる肌寒さ。

 

周囲の草木は風にたなびき観察には生憎のお天気でしたが、野付半島へ入ると電柱止まりのオジロワシを見ることができました。

 

 

辺りからはシマセンニュウやノゴマの囀りがひっきりなしに聞こえてきたものの、風の影響を受けてか姿が見当たりません。

 

エゾシカの群れを横目に車を走らせ、辿り着いたのは野付半島ネイチャーセンター。

温かい飲み物を購入しようと売店へ進んだところ、他所様が片手にしているソフトクリームに釣られ…

 

 

余計に寒くなりました。

 

ネイチャーセンターまで特に出会いがなかったこともあり羅臼町へ引き返そうと思いましたが、念の為に突き当たりまで進むとキタキツネの親子に遭遇。

 

 

仔ギツネが4頭見られ、じゃれあったり寝そべったりと思い思いに行動している様子。

 

 

少し離れた場所で見られたのは2頭の親ギツネ。

片親は死んでいるのかと思うほど生気を失いガリガリに痩せ細っていました。

 

 

おそらく子育てが優先となり自分の腹を満たすほどの餌にありつけていなかったのでしょう。

 

親ギツネがフラフラと彷徨い始めたため、仔ギツネを観察していると何かを咥えて戻ってきた親ギツネを目撃。

 

 

この姿を何処から見ていたのか一目散に駆け寄ってきた仔ギツネ。

 

 

親ギツネが咥えていたのは仔ギツネに与えるための餌だったようです。

受け渡しの瞬間、獲物はカレイであることが判明。

 

 

漁師が捨てたものを見つけたのか流れ着いたものを拾ってきたのか分かりませんが、子育てが無ければ自らの空腹を満たせたはず…

 

 

親ギツネの眼差しは優しく慈愛に満ち溢れており、餌を頬張る仔ギツネを見守っているようでした。

 

 

そこへ別個体の仔ギツネが現れると餌の奪い合いが始まりカレイは真っ二つに。

 

 

あっという間に食べ尽くすと毛繕いを始め一家団欒の時間。

 

 

様々な感情が入り乱れるなかキタキツネの親子を観察していると目の前に夏羽のノビタキが飛来しました。

 

 

もう一ヶ月もすると冬羽に装いを変えて秋田へ渡ってくることでしょう。

 

警戒心の緩いノビタキの撮影を楽しんでいると付近の草が不自然に揺れていることに気がつき、よく見てみると顔を覗かせていたのはシマセンニュウ。

 

 

午後の野付半島は逆光が厳しく観察もままなりませんでしたが、空振りに終わらなかっただけ良しとしたいところ。

 

 

この日は早めに宿へ戻って温泉へ。

風呂あがりに飲むサッポロビールは格別でしたが、問題は前日酷評した夕食。

 

この日も見た目には豪華絢爛。

間仕切り越しから『美味しそう!!』という客の声が聞こえ「見た目だけだぞ」と心の中で唱えると案の定、隣の客から言葉が無くなり箸の音だけが響いていました。

 

美食家を気取るつもりはありませんが、食は旅の思い出を左右するほど大切なもの。

 

 

宿泊客に海原雄山が居たならテーブルごとひっくり返していたことでしょう…

 

 

2025年7月13日

 

 

日程三日目の午前もクルーズ船の予約をしていましたが、天候は良かったものの風の状態は前日とほぼ変わらず。

 

船舶会社のブログには『明日も風が吹く予報となっておりますが、予報が外れ運航できますように』という欠航を示唆する言葉が含まれていただけに覚悟を決めるしかありませんでした。

 

問題は最終日をどのように過ごすか。

ギンザンマシコを一生分観察しようかとも考えましたが、午前の知床峠は逆光が厳しく観察もままなりません。

※快晴の場合。

 

 

そこで思いついたのは霧多布岬でのラッコ観察。

道東縦断のハードスケジュールになるとは言え、これ以外に良案が思い浮かばず身支度を整えていると知床ネイチャークルーズより連絡が…

 

『本日の運航が決まりましたので8時30分までに受付をお願いします』

 

土壇場でチャンス到来。

 

逸る気持ち抑え…きれず早々に受付を済ませ羅臼港へ向かうと既に乗客の列が。

 

 

乗客の大半は海外からの観光客。

そのため港には英語や中国語が飛び交っており道東観光の人気の高さが伺えました。

 

定刻に港を出ると船はぐんぐんと沖へ進み、洋上から眺める知床連山は美しいの一言。

 

 

乗客の大半はマッコウクジラ、若しくはシャチがお目当てだったのではないでしょうか。

 

この広い海のなかからどの様にクジラを探すのか疑問に思っていると『水中にマイクを入れて居場所を探っている』とのアナウンス。

クジラが発する声を頼りにしているようでしたが、だいぶ苦戦している様子。

 

船が右往左往しているとアカエリヒレアシシギを発見。

 

 

間もなく進行方向にハシボソミズナギドリが見られたものの、船は減速してくれず慌てて離水。

 

 

こちらの船は落石ネイチャークルーズのように海鳥の観察を目的としていないため証拠写真を残すことが精一杯。

 

この直後、アカアシミズナギドリが船の真横を通過。

 

 

出会いは突然やって来るため気を抜くことができません。

 

 

更なる出会いに期待しているとマッコウクジラが見つかったとのアナウンスが入り俄に活気づく船内。

 

事前にレクチャーがあった通り、船首を時計の12時に見立てマッコウクジラの居場所が知らされると乗客は我先にと一斉に移動。

 

乗客の視線の先には潮を吹くマッコウクジラの姿があり歓声があがりました。

 

 

肉眼で見るマッコウクジラは潜水艦でも見ているかのような迫力。

スタッフの説明によると大きさは16mもあるのだとか。

 

 

私にとって初めての経験でしたが、テレビで見るものとは全くの別物。

私の拙い語彙力では当時の状況を上手く表現できませんが、感動というよりも驚きに近かったでしょうか。

 

 

こんなにも大きな生き物が生息していることに呆気に取られていたように思います。

 

10分ほど浮上していたマッコウクジラは尾ビレを見せて深海へ。

 

 

約一時間ほど潜水するそうですが、潜水艦のように深度を下げるのではなく頭を下に向けて潜るのだとか。

 

再び浮上するまでは他の個体を探すとのことで、潜水から浮上までのタイミングを計りクルーズ船を運航していることが伺えました。

 

勢いよく進み出した船が減速すると船首付近にクロアシアホウドリの姿があり、乗客に向けてアナウンス。

 

 

観光客でも認識しやすい鳥だけに、大きさと助走についての説明がありました。

 

 

船首付近を横切ったクロアシアホウドリを見送ると別個体のマッコウクジラが見つかったとのことでしたが、そちらの個体は国後側を泳いでいたため遠くからの観察。

 

本来、国境というものは存在しないはずの海域ですが『ロシア側ギリギリのところまで船を走らせたけど、これ以上は進めない』と船長からのアナウンスがあり、改めて遠くに感じた国後島。

 

日露中間ラインまで沖に出たせいかフルマカモメが頻繁に見られるようになり、見つけては撮影を繰り返しましたが確認できたフルマカモメは暗色型がほとんど。

 

 

割合として白色型は少ないのでしょうか。

観察経験が乏しいだけに詳しいことが分かりません。

 

 

この頃になるとハイイロウミツバメも見られるようになったものの遠くを飛ぶ個体が多く証拠写真を量産。

 

目一杯拡大してこの程度です。

 

 

唯一及第点をつけることができたのはこちらの個体。

 

 

海鳥探しに夢中になっていると他船よりシャチの情報が入ったとのアナウンス。

途端に船は爆走を始め、とてもではありませんか海鳥を見つけてもカメラを構える余裕はありませんでした。

 

乗船した船は一体何ノットで航行していたのでしょう。

相当な速さを感じましたがシャチの居場所まではかなり距離がある様子。

 

船長とスタッフのやり取りに耳を傾けていると船は急に減速。

シャチの居場所へ辿り着いたことが伺え、乗客に向けてスタッフよりアナウンスが入りました。

 

アナウンスと共に移動する乗客たち。

私も負けじと移動しましたが、図々しい中国人のオバサンに敗北。

 

 

自撮り棒を伸ばすオバサンたちの圧力は凄まじく、海のギャングと呼ばれるシャチを凌駕するほど。

 

正直なところシャチよりもオバサンの方が強烈でした。

 

 

自撮り棒の隙間からの撮影を強いられストレスを抱えていたところ船が反転。

これを好機と捉え左舷側から右舷側へいち早く移動すると特等席の確保に成功。

 

シャチの群れは船に接近してきたことにより、ほぼ真上からの撮影です。

 

 

みるみるうちに距離が縮まるとシャチは船の真下を通過。

 

 

あっという間の出来事とあってどの様に撮影したらよいのか考える暇もありませんでしたが、今までテレビでしか見ることのなかった生き物を目の当たりにして想像以上に感動しました。

 

マッコウクジラとシャチを探して右往左往したためか帰港の時間が迫っており羅臼港まで再び爆走。

 

激しい揺れに耐えつつ何度か撮影を試みるも、カメラを構えた途端バランスを崩しフレームに入れることができず…

 

これもまた老いのせいなのでしょうか。

以前はもう少し耐えることができていたと思うのですが。

 

結局のところ羅臼港へ戻るまでの間、撮影できたのはウトウのみ。

 

 

港湾内に入ると可愛いオオセグロカモメの雛が見られました。

 

 

15分遅れの帰港となりましたが、クルーズ船の内容を振り返ってみるとマッコウクジラとシャチの印象が強く残ったように感じます。

海鳥についてはハイイロウミツバメを複数個体見られたことが良かったでしょうか。

 

 

船を降りると丁度お昼時ということもあり、旅の〆に選んだのはホッケ焼き定食。

 

 

宿でも食しましたが、同じ魚と思えないほど美味しかった…

 

ホッケを食べて終わるはずだった今回の旅。

中標津空港へ向かう途中、2羽の雛を連れて道路を横断するオオジシギを目撃。

残念ながら撮影は叶いませんでしたが、旅の最後に思い出に残る場面を見ることができました。

 

今回は宿選びに失敗したり船が欠航したりと紆余曲折ありましたが、想定したものとは違った楽しさがあったように思います。

 

北海道には未だ見ることのない景色や生き物が沢山。

この先も季節と場所を変えて新たな旅を計画したいと思います。

 

 

2025年 野鳥観察の旅 in 道東 (7月) はここまで。