2025年12月8日
本日更新の日記は11月9日の観察から。
秋の渡りシーズンも終盤に差し掛かった11月第二週。
例年この時期は足繁く男鹿半島へ通っていますが、本県にしては珍しく好天が続いたため無駄足に終わる可能性が大。
期待できる鳥と言えば前日(11月8日)も見られたユキホオジロくらいだったでしょうか。
状況の好転が見込めず何処へ行くべきか悩んだ結果、思いついたのはヤマドリの観察。
猛暑だった一昨年、これまでにない観察ができた経験を思い出し今年も同じ状況になるのではと、この休日はヤマドリを探してみることに。
観察当日、行動が活発となる早朝の時間帯を狙い山間部へ繰り出してみましたが、ヤマドリどころか小鳥の気配すら感じられない状況に早くも暗雲が…
約一時間ほど周囲の状況に探りを入れたでしょうか。
待てど暮らせどヤマドリの気配は感じられず、目的を変えることも視野に移動を始めると沢の下に群がるヤマドリを発見。
不用意に沢を覗き込んだ私を警戒して、成鳥雌と複数の若い個体は一目散に笹薮の中へ。
成鳥雄はゆっくりとした足取りではあったものの、明らかに私を警戒している様子でした。
笹薮の揺れ具合いから進行方向が読めたため、先回りをして群れを待つと次々に目の前を通過。
ヤマドリの成鳥雌や若い個体はヤマシギ以上に複雑な模様をしており擬態効果が抜群です。
一方、成鳥雄は派手にも見えますが薄暗い森林では意外にも目立ちません。
山肌を移動する群れが遠退くと笹の揺れる音だけが聞こえるようになり、群れの進行方向が掴めず。
そのため長期戦を覚悟に開けた環境からヤマドリの気配に探りを入れていると…
カサカサと落ち葉を踏む音が聞こえ、林道奥から成鳥雄が現れました。
成鳥雄の進行方向はこちら側。
間もなく後を追うように成鳥雌も現れ、周辺には複数の気配が。
この後、若い個体が立て続けに出ることを予見できましたが、雌雄の成鳥は沢へと向かっていたため先回りをしてみることに。
狙い通り成鳥雄が姿を見せると活字では表現し難い複雑な鳴き声を発しており、敢えて表すなら『ククククッ キュルルル〜』といったところでしょうか。
追従する成鳥雌は控えめな鳴き声でしたが、お互いコミュニケーションを図っていたのかもしれません。
沢へ戻ったヤマドリは手当たり次第に植物を啄み、その多くはシダ植物であったと思います。
生態として雑食ではあるものの、キジよりも植物食の傾向が強いと感じました。
採餌の様子は動画でも。
一昨年の観察から冬季は群れを成すという習性を学びましたが、この時に見られた群れの関係性には大きな疑問が。
こちらは若い雌と思われる個体。
尾羽に擦れや摩耗が見られず若い個体としましたが、観察経験が浅いため確信を持てません。
こうした特徴を持つ個体は周辺に5羽。
キジ科の鳥はいずれも雌が子育てを担いますが、この時の群れの行動は全て成鳥雄の監視下にあったように思います。
何処へ進むにも成鳥雄の後を追い、成鳥雄が周囲の状況を見守るような場面もありました。
あくまでも個人的な見解ですが、この日見られた群れは家族群であったのかもしれません。
勿論、私の見解が間違っていると仰る方もいらっしゃることでしょう。
たまたまその様に見えただけなのかもしれませんが、私の目には成鳥雄に従順だと思わせられる行動が度々見受けられました。
今回、若い個体としたものも私の知見が浅く成鳥雄以外は全て成鳥雌の可能性も否定できません。
これまでにヤマドリの幼鳥を観察した経験は一度しかなかったため、今後観察経験を積んで正確な知識を得ることができれば良いのですが…
今回は曖昧な記述が多くなってしまったものの、この日の観察は想定以上。
こうした観察ができるとは思ってもいなかっただけに望外の喜びとはこの事を言うのでしょう。
間もなく秋田県は本格的な冬を迎えますが、より正確な情報を伝えることができるよう可能な限り観察の機会を増やしたいと思います。
本日の観察日記はここまで。