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2026年 野鳥観察の旅 in 台中 (1月) ③

 

 

前回のあらすじ。

 

日程二日目はこの旅の本番と位置付けていた大雪山国家森林遊楽区へ。

 

昨年のような観察ができればと記憶を辿り山道を進んだものの、たわわに実をつけているはずの木は丸裸。

当然の如く小鳥の群れは見当たらず、バードウォッチャーの姿もありませんでした。

 

しかし23km地点の賞鳥平台まで進むとカメラを構える台湾人バードウォッチャーがずらり。

おそらく21km地点の実が食べ尽くされたため、群れを追うようにバードウォッチャーも移動してきたのでしょう。

 

賞鳥平台では昨年と違った観察を楽しむことができ、50km地点では未だ見ぬミカドキジを捜索。

 

残念ながらミカドキジは見つけられませんでしたが、この日はサンケイやミヤマテッケイのほか、数多くの出会いに恵まれ運の良い一日だったように思います。

 

 

2026年1月11日

 

 

早くも台中を離れなければならなかった日程三日目。

この日もミカドキジを探すため、再び大雪山国家森林遊楽区を目指しました。

 

前日と同じ時間帯に宿泊先を離れ山の麓を走っていた時の出来事。

 

「これまで見てきたオウチュウに比べると若干小さいような…」

 

 

電線に止まるオウチュウに感じた違和感。

双眼鏡を覗くとヒメオウチュウであることが分かり、青銅色の金属光沢が浮かんで見えました。

 

 

もしかすると前日は見落としていたのかもしれません。

台中はオウチュウの個体数が多く住宅地でも容易に見られるため、意識しなければ見落としてしまうこともあるようです。

 

ヒメオウチュウの観察後、ルリチョウを発見してこちらはスナップ撮影。

 

 

この日はミカドキジを探すため50km地点へと先を急ぎました。

 

23km地点の賞鳥平台へ差し掛かると台湾人バードウォッチャーの数が少なく鳥が出ていないものと思いましたが…

 

カーブの先に見えたのは大勢のバードウォッチャー。

道路脇に雌雄のサンケイが出ており、こぞって撮影している様子でした。

 

流石に素通りできず私もご相伴に預かりましたが、驚かされたのは嘴が隠れるほどの肉垂。

その姿には威厳すら漂います。

 

 

雄の傍には雌が4羽。

 

 

採餌に余念がない雌を置き去りにして躊躇なくこちら側へ迫ってきた雄でしたが、注目してもらいたいのが肉垂の大きさ。

 

僅か短時間のうちに小さく変化しています。

 

 

まるでライチョウの肉冠を思わせる変化。

 

ライチョウの肉冠は興奮時や威嚇時に大きく膨らみ、雌へのアピールや縄張り争いの際に変化すると言われていますが、サンケイも同じキジ科の鳥であるため同様の変化があるのかもしれません。

 

山肌へ移動した雄を余所に雌は採餌を続けていたため、その様子はスマホで記録。

 

 

警戒心を見せない様子に後ろ髪を引かれつつも、一刻も早く50km地点へ向かわなければなりませんでした。

 

車を走らせて間もなく、道路脇に佇むトラツグミを発見して亜種コトラツグミを期待しましたが…

 

 

こちらの個体は基亜種トラツグミ。

 

目的の50km地点へ到着したのは予定から30分遅れの9時頃。

多くの観光客で賑わいを見せるなか、人出を気にしないアリサンヒタキがあちこちに。

 

 

地面に降りては低木へ戻ってを繰り返しヒタキらしい動きを見せていると、何処からともなくルリビタキが飛来。

 

縄張り意識からだったのかアリサンヒタキがルリビタキを執拗に追い回す姿が見られ、思いのほか観察に時間を割いてしまいました。

 

 

「ミカドキジを探さなければ」と歩き始めて間もなく、頭上に小鳥の群れが飛来。

次から次へと鳥が出る状況になかなか先へ進むことができません。

 

その多くはカンムリチメドリでしたが、群れのなかに1羽だけニイタカキクイタダキが混ざっていることに気付きすかさず撮影。

 

 

しかし良いショットを残せないまま群れはあっと言う間に遥か彼方へ。

 

ミカドキジを探して方々歩き回るも、全くと言っていいほど気配を感じられず時間は過ぎていくばかり。

このままでは埒が明かないと、恥を忍んで台湾人バードウォッチャーへ尋ねてみたところ…

 

『今時期のミカドキジは難しく、3〜4月の繁殖期がお奨めです。最も容易に見られるのは阿里山でしょう』

 

「道理で見つからない訳だ」

 

勿論、この時期の大雪山でも見られない訳ではないと思いますが、遭遇するには絶大な運が必要なようです。

 

前日に運を使い果たしていただけに望みは薄いと感じつつも、時間の許す限り捜索を続けてみることに。

 

 

ズアカエナガを目にした時の出来事。

暗がりを移動する謎の鳥を目撃。

 

目を凝らしてみると複数羽が動いており、正体はキンバネホイビイであることが判明しました。

※Web上ではタイワンキンバネガビチョウという表記もありますが、この呼称には疑義が残るため当ホームページにおいてはキンバネホイビイと表記します。

 

そのうちの1羽が置物のように動かず、撮影のチャンスとばかりにカメラを向けると後方から観光客が…

 

「今はそっちへ行かないで」とも言えず撮影を断念したところ、キンバネホイビイに気付いた観光客が目の前に立ち止まりました。

 

おおかた逃げられるだろうと思いきや、意外にも動じる様子がなくスマホで撮影を始めた観光客。

 

まるでペットでも撮影しているかのような光景に私も真似てみましたが、手掴みできそうな状態に驚きを隠せず。

 

 

具合いが悪い訳でもなく、人を恐れる様子も無し。

試しに採餌中の個体へ近寄ってみると、スマホをかざしても我関せず。

 

 

これまでに当ホームページでは「警戒心が薄い/無い」といった表現を数え切れないほど使ってきましたが、流石にこれほどの鳥は見たことがありません。

 

衝撃の観察を終えて時刻を確認すると間もなく13時といった頃。

暗くなる前に台北へ戻ると決めていただけに下山を始めなければいけない時間でした。

 

ミカドキジの捜索を断念せざるを得なく山道を下っていると、小鳥の群れが崖下のブッシュに潜る姿を目撃。

群れの正体が気になり、車を停めて崖下を覗いてみるとメジロチメドリがあちこちに。

 

 

ブッシュの下は沢になっており、小鳥たちの水浴び場になっていることが判明。

入れ替わり立ち代り水浴びをする小鳥たちの様子を見ているとコシジロムシクイの姿も。

 

 

水浴びを終えたタイミング見計らいコシジロムシクイを撮影しましたが、動きが速いため唯一のシャッターチャンスでした。

 

 

沢の上流部となる岩場にはチャバラオオルリが飛来したため、こちらも水浴びをするものと思いきや…

 

 

水を飲み始めたチャバラオオルリ。

 

 

思いがけない場面の連続に足を止める時間が長くなると、ピンクの花に群がるカンムリチメドリ目撃。

 

 

花弁の中央に嘴を挿し込む様子から、蜜を吸うため群がっていたのかもしれません。

 

このままでは切りがないと再びハンドルを握りましたが、大雪山を離れる間際に見たのはタイワンザル。

 

 

この後は台中の市街地を抜けて高速道路へ。

 

日本の道路交通法では追い越し車線を走り続けると取り締まりの対象となりますが、台湾では自分の好きな車線を走っているといった様子。

 

これがルールを無視した走り方であるのか分は分からないものの、先を急ぐ車は右へ左へと車線変更を繰り返します。

 

 

台北が近付くにつれ所々渋滞が発生するなか、目にしたのは路肩を猛スピードで走り抜ける車。

 

「何でもありだな…」と思いつつ渋滞の列に並んでいると、電光掲示板にあったのは【 路肩可行駛 】の文字。

 

驚いたことに台湾では路肩走行が許されることが分かり、それならばと私も路肩を走ってみることに。

 

 

路肩は本線に比べると道路幅が狭いため側方感覚に注意しなければなりませんでしたが、もっと注意しなければいけなかったのは出口車線との合流。

 

うっかり走り続けると出口へ向かう車と衝突しかねません。

そのため予め本線へ戻らなければならず、路肩の走行は危険が伴います。

 

大雪山からノンストップで走り続けて見えてきた台北の文字。

 

 

安堵の気持ちと共に再び襲ってくる緊張感。

高速道路を下りると台北市街地は大渋滞。

 

 

隙間を縫って走るスクーターに気を遣いながらも、無事に宿泊先へ到着。

 

 

心配していた駐車場もホテルの目の前にあり、スムーズに車を停めることができて一安心。

 

しかしこの後に一波乱。

チェックインを済ませるためレセプションへ進むと駐車場についての説明がありました。

 

既に目の前の駐車場へ停めたことを伝えると困惑の表情を浮かべるスタッフ。

慌てて駐車場へ戻るとスタッフが言うようにクレジットカードが使えない…

 

 

更に30分40元の驚きプライス。

 

精算機へ走りましたが、時既に遅し。

しっかりと駐車料金のカウントが始まっていました。

 

 

支払い方法に悠遊カードが使えると知ったものの、手持ちの現金は残り僅か。

※悠遊カードとは台湾で広く使われているICカード型のプリペイドカードで、日本で例えるとのSuicaやPASMOのようなもの。

 

夕食ついでにコンビニへ走り1000元をカードにチャージしましたが、果たして間に合うのでしょうか…

 

 

日程四日目はこの旅もいよいよ最終日。

翌日の様子は後日更新の日記へ続きます。