2026年1月9日
本日更新の日記は観察旅行記。
今年最初の旅行は台湾中部に位置する台中へ。
昨年の年始にも観察を楽しんだ台中ですが、今回は前回より短い日程で旅を計画しました。
台中での観察を楽しむにあたり、まず立ちはだかるのが渡航と現地での移動手段。
台中にも国際空港はあるものの、日本から就航地が限られており、秋田からの乗り継ぎは利便性に優れていると言えません。
そのため私にとって最も効率的な渡航手段は羽田発着便の利用。
但し、渡航自体は楽になったとしても台湾の玄関口は台北となるため、必然的に台北から台中までの移動が最大の課題となります。
安全を最優先に考えた場合、公共の交通機関を利用することが最善の選択肢となるでしょう。
しかし時間に余裕のない私にとってその手段を取ることは現実的でありません。
そこで浮上するのはレンタカーという選択。
但し、この手段には大きな問題が…
始めに見て頂きたいのはこちらの動画。
昨年11月に台北で撮影した映像になりますが、台湾の交通事情は「戦争」と表現しても決して大袈裟ではありません。
この状況にレンタカーで戦いを挑むのは相当な覚悟が必要です。
それでも尚、限られた日程のなか台中での観察を成立させるためにはハンドルを握る以外に道はありませんでした。
重くのしかかるプレッシャーに押し潰されそうになりながら迎えた出発当日の朝…
日程初日。
羽田空港を出発したのは09時20分。
台北の松山空港へ到着したのは定刻より5分早い12時25分でした。
以前の旅行記にも綴ったように電子渡航許可を始めとして入国に関しての手続きに変わりはありませんでしたが、台湾では一年のうちに三回以上渡航すると翌年は出入国審査が簡素化されるという制度があります。
私はこの制度に該当したため移民署のホームページから申請をしてみました。
申請は無料ですが、PDFでダウンロードした常客証を印刷して持参しなければいけません。
常客証を持参することにより専用カウンター(快速査驗通關)を利用できるようになったため出入国がスピーディーに。
各種手続きを済ませた後はレンタカーの調達へ向かいましたが、台湾ではレンタカーを借りる旅行者が少ないためか日本のようなレンタカーステーションはありません。
そのため空港から遠く離れた場所に店舗があり、タクシーで移動すること約15分。
掘っ立て小屋の店舗が多いなか、今回の店舗はHertzとあってそれなりの佇まいでした。
※台北での観察または観光を目的とした場合、MRTやタクシーでの移動がお奨め。
台湾でレンタカーを運転するにあたり注意しなければいけないのは免許証。
運転免許センターが発行する国際運転免許証(ジュネーブ条約に基づくもの)は使用できないため、日本台湾交流協会台北事務所または高雄事務所又は日本自動車連盟(JAF)発行の運転免許証中国語翻訳文が必要です。
取得にあたってはJAF公式ホームページからオンライン申請が可能で、案内に従い入力を済ませると数日後に予約番号を記したメールが届きます。
印刷はコンビニのマルチコピー機を利用して、出来上がった中国語翻訳文がこちら。
有効期限は一年間。
料金は驚きの4400円。
国際運転免許証の発行手数料より高いのは何故なのか。
こんなもの私でも翻訳できそうなものですが…
レンタカーの借り入れに関しては日本とほぼ同じ。
但し、日本語での対応は期待しない方がよいでしょう。
台北市街地から台中市街地までの所要時間は約二時間半。
手に汗握る運転が始まりました。
運転開始早々に放った言葉は「危ねぇっ」だったでしょうか。
走行中であっても左右から追い越してくるスクーター。
右左折専用レーンでもお構い無しに直進する車は当たり前。
それどころかT字路では右折専用レーンから左折してくる車も。
多いところでは片側6車線の道路を右へ左へと車線変更を繰り返さなければいけないため瞬時の判断を求められますが、左右後方の安全確認は怠ることができません。
制限速度も無視、専用レーンも無視と正に無法地帯。
恐ろしささえ感じる台湾の交通事情ですが、お利口さんに運転していては車線変更すらできず目的地へ辿り着くことができないでしょう。
『郷に入れば郷に従え』
こうした言葉がある通り、台湾に来たからには台湾らしい運転が必要。
日本の常識など通じなくて当たり前と頭を切り替え、多少強引な運転をしながらも台中へ到着したのは16時過ぎ。
先ずは無事に台中まで辿り着いた自分を褒めたい。
当初の予定では宿泊先まで直行するつもりでいましたが、移動だけでは忍びないと都市公園へ立ち寄り探鳥してみることに。
公園の散策を始めて間もなく目にしたのは複数羽のアカハラシキチョウ。
人慣れしているためか警戒心は皆無。
散歩中の人が通りかかっても距離を置くようなことはありません。
動きは近くで見られたジョウビタキにそっくり。
人工物や低い枝に止まり、地面に降りては戻ってを繰り返し虫を捕食しているようでした。
次に見られたのはホオジロハクセキレイ。
地元秋田では珍鳥ですが、こちらでは普通種。
こうした種を当たり前に見られるのも旅の醍醐味といったところでしょうか。
木の実を啄むミナミメジロは日本で見られるメジロと比べて嘴に明らかな違いが見られます。
まるでミツスイ科の鳥のような形状をしており、南国特有の進化を遂げたのかもしれません。
この他にタイワンシロガシラ・クロヒヨドリ・ハイガシラコゲラが見られたものの、いずれも見上げる位置に。
時間の経過と共に小鳥たちの賑やかさが無くなったため、短い探鳥を終えようとしたところ戦闘機の排気音が。
周囲を見渡すと台湾空軍のF-16Aが着陸態勢。
位置的に清泉崗基地・空軍第三戦術戦闘航空団所属の戦闘機でしょう。
このように台中では戦闘機の離発着が頻繁に見られるようです。
立て続けに着陸してきたこちらは複座のF-16Bでした。
車へ乗り込み宿泊先までのルートを検索すると所要時間は約50分。
思いのほか距離が離れており再び憂鬱な気持ちになりましたが致し方ありません。
市街地へ入ってからは複雑怪奇な道が多く何度経路を誤ったことか…
更に帰宅時間と重なったためか激しい渋滞に巻き込まれ「あと少し」の距離からなかなか進まず。
このように苦難の連続でしたが、無事に予約していたホテルへ到着。
建物を目にした瞬間、今日という一日がようやく終わったのだと安堵の気持ちが込み上げてきました。
今回の宿泊先は目的の観察地から随分と距離が離れていたものの四つ星ホテル。
客室は広々としており水回りが綺麗だったのも好印象。
荷物を置いて直ぐ腹拵えに出掛けましたが、ホテルを出ると現実に引き戻されます。
こうした騒々しい雰囲気のなかホテルの向かいには土地公(トゥーディーゴン)が。
土地公とは土地や地域を守る神様を祀る祠。
手前に写る香炉からはお香の匂いが漂い緊張状態だった気持ちを和らげてくれたように思います。
この日の夕食は台湾グルメとはいきませんでしたが、食後に食べた芋頭冰淇淋(タロ芋のアイスクリーム)が美味しかった。
ホテルへ戻ってからは翌日に備え早めの就寝。
日程二日目はこの旅の本番。
大雪山国家森林遊楽区で観察を行いましたが、そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。