2026年4月10日
本日更新の日記は国内旅行記。
今回の目的地は日本最南端の波照間島。
これまでの軌跡を辿ってみると最北端の宗谷岬、最東端の納沙布岬、最西端の与那国島には幾度となく足を運んでいましたが、未だ最南端の地には立ったことがありませんでした。
※有人の地として。
野鳥観察を目的とした場合、最南端の波照間島だけは探鳥地として候補に挙がらず、私にとって縁遠い場所だったように思います。
そこで今回は最南端の地へ立つことを目的に旅を計画しましたが、調べを進めるうちに問題となったのは高い欠航率。
外洋に出る波照間航路は波の影響を受けることが多く、島流しに遭ってもおかしくありません。
そのため少しでも不安要素があった場合は無理をせず「行けたらラッキー」くらいの気持ちで波照間島を目指しました。
中継地となる石垣島へ着いたのは15時30分頃。
この日は特に予定が無かったため夕方まで島を巡回する予定でしたが、到着直前に飛び込んできたのは『ハイイロオウチュウが滞在中』との珍鳥情報。
毎度のことながら本当に有難く思います。
情報筋の話によると警戒心が強い個体とのことで車内からの観察を勧められましたが…
ハイイロオウチュウは待てど暮らせど姿を現さず。
残念ながらこの時は縁が無かったのでしょう。
今回は波照間島への渡島を目的としていたため精神的なダメージも無く、初日は石垣島らしい鳥を眺めて探鳥を終えました。
2026年4月11日
日程二日目はいよいよ最南端の地へ。
波照間島への渡島手段は二通り。
空路として石垣空港から定期便が発着しているものの、こちらは週3回の運航とあって現実的でありません。
主な渡島手段は石垣港離島ターミナルから出航する高速船やフェリーです。
波照間航路を運航しているのは安栄観光。
所要時間は船によって異なり60〜90分。
波照間島を車で移動した場合、20〜30分もあれば島を一周できてしまうため半日も滞在できれば充分でしょう。
しかしここで問題が発生。
戻りの便として予約した第2便に△マークが…
スタッフに尋ねたところ第2便は小型の高速船となるため現段階では運航が見通せないとのこと。
やはり外洋に出る波照間航路は波の影響を受けるため仕方のないことかもしれません。
第1便で渡ったとしても海況の悪化により、終日欠航となれば島流し確定。
悩みに悩んだ結果、今回は無理をせず波照間島への渡島を諦めることにしました。
ぽっかり空いてしまった時間をどのように埋めたらよいものか…
八重山諸島の渡りはピークを過ぎており、観察をするにも良案が思い浮かびません。
では観光はどうかというと、20回以上訪れている石垣島は何処も行き尽くした感が否めず。
やはり私には観察しかないと、風に吹かれるまま島を巡り、行き当たりばったりの観察を楽しむことに。
始めに覗いたのは離島ターミナル近くの河口。
こちらで見られたのは白色型のクロサギとイソシギでした。
他に目ぼしい鳥が見当たらなかったため早々に場所を移して水田地帯へ。
苗の伸び具合が異なる水田を見て回ると所々にシギチの姿があり、最も個体数が多かったのはタカブシギ。
次いで個体数が多かったのはアオアシシギだったでしょうか。
その他にセイタカシギも見られましたが、以前に比べるとシギチの数そのものが減っているように思います。
農地を転々としていると聞こえてくるのはリュウキュウアカショウビンの鳴き声。
気温の高さも相俟って、一足早い夏の雰囲気を感じました。
夏の陽気を感じるなか、冬鳥として渡来するシマアカモズが残留中。
こちらは換羽を終えると旅立つのかもしれません。
サトウキビ畑では収穫作業が行われており、辺りには多くの鳥が集まっていました。
農作業を利用して採餌する鳥が多く、カンムリワシもまた同様です。
大きなネズミを捕獲したカンムリワシにオサハシブトガラスが群がり、逆立つ冠羽。
しつこいカラスを鬱陶しく思ったのでしょう。
カンムリワシは獲物を抱えたまま林の奥へ…
一通り農地を回った後はハイイロオウチュウを見に行きましたが、現地で観察したのはイシガキシジュウカラ。
ここまで黒くなるのかと思うほど、本州のシジュウカラとは見た目が異なります。
肝心のハイイロオウチュウは姿を見せず、探鳥場所を林道へ移すことに。
お目当てはリュウキュウアカショウビンでしたが、リュウキュウキビタキの鳴き声を耳にして車を停めると、虫を咥えたまま盛んに鳴いていました。
もしかすると近くに営巣していたのかもしれません。
早々にこの場を離れ林道を進むとリュウキュウアカショウビンがあちこちに。
本州のアカショウビンは間もなく渡来しますが、リュウキュウアカショウビンは一足早く繁殖時期に入ることでしょう。
林道を抜けて時刻を確認すると10時50分。
八重山そばでも食べに行こうと思いましたが、何気なく船の運航状況を確認すると△マークが◯マークに…
「どうする、俺」
波照間島へ渡るために計画した今回の旅行。
一瞬迷いましたが、そんな余裕はありません。
この機会を逃すまいと、直ちに進路を変えて離島ターミナルへ。
第2便は小型高速船のため所要時間は短くなるものの、波の影響を強く受けそうです。
通称"ゲロ船“と呼ばれる波照間航路だけに、どれほど揺れるのか楽しみに船へ乗り込みましたが…
出港してから20分ほどは揺れもなく順調に航行したでしょうか。
しかし黒島を過ぎて外洋へ出ると途端にうねりが高くなりスピードダウン。
波を読みながら航行していることが伺え、揺れが大きくなるとビニール袋を用意する人が続出。
ここで目にしたのは遥か遠くを飛ぶオオアジサシらしき鳥。
早くも八重山諸島に渡って来たのかと驚きましたが、距離が離れていただけに確証が持てません。
その後はカツオドリを2羽目撃したものの、思ったほど海鳥が飛ばずあっという間に波照間島へ到着しました。
他の離島に比べると観光客が少ないためかターミナル付近は閑散とした様子。
有人島として日本最南端の波照間島はどのような島なのか。
早速レンタカーを調達して左回りで島を一周してみることに。
島一周道路を進むとサトウキビ畑が広がり、宮古島を思わせる雰囲気。
ミフウズラでも見られないかと注意深く気配を探りましたが、全くもって視界に入りません。
これといった出会いもなく島を半周すると最南端の看板が。
車を停めて徒歩で移動してみると大きな石碑が見えてきました。
石碑の陰にポツリと佇んでいたのは日本最南端の碑。
日本の東西南北を制覇した瞬間でしたが、自分でも驚くほど何も感じず。
海外へ足を伸ばすようになった弊害なのでしょうか。
私は自分で思う以上にドライな人間なのかもしれません。
周辺の景色を眺めて、再び車を走らせるとニシ浜の看板を発見。
ニシ浜と言えば八重山屈指の海、波照間ブルーという言葉を聞いたことのある方も多いことでしょう。
初めて見る波照間ブルーは…
確かに綺麗。
しかしこの日は雲が多く、本来ある美しさを感じることはできませんでした。
ニシ浜を離れて間もなく目にしたのはフェリーターミナル。
あっという間に島を一周してしまいました。
ここまでに要した時間は約1時間。
残りの2時間をどのように過ごしたらよいものか…
渡りの時期と重なっていたなら波照間島でも多くの珍鳥が見られることでしょう。
しかしピークを過ぎたこの時期、探鳥としては期待値が低かったため観光がてら島中央の集落を散策してみることに。
集落へ進むと雰囲気は打って変わり、竹富島を思わせる景色が広がりました。
こちらは希少な泡盛で有名な泡波酒店。
泡波は極めて生産量が少なく入手困難なことから"幻の泡盛“として全国の愛好家の間で知られています。
見頃を迎えたデイゴの花を眺めたりと集落を隈無く回りましたが、見られる鳥は普通種のみでした。
少々時間を持て余したものの、無事にこの旅の目的を果たしてターミナルへ。
戻りのフェリーではデッキからの観察を期待しましたが、残念ながらこちらの船も外に出ることは許されず…
高速船より速度が遅く、石垣島までの所要時間は90分。
ゆっくり寝て過ごそうかとも考えましたが、出港して間もなく予想もしなかった展開に。
ポツポツとカツオドリが見られるようになると途端に数が増え、目の前を飛ぶ個体が続出。
船に纏わりつくカツオドリの群れを眺めていると、眼下から飛び出したのはトビウオ。
これを待ってましたと言わんばかりに飛び込むカツオドリたち。
窓越しでしたがこの様子をスマホで撮影してみると、まるで一眼で撮ったような出来栄えでした。
映像にある通り、静止画もスマホで充分。
こうした様子は黒島付近まで続き、カツオドリは1時間に渡って船を追い続けたでしょうか。
小笠原航路ではこうした光景をデッキから観察できるそうですが、未だおがさわら丸に乗ったことのない私にとっては最南端の地へ立つよりも感動の時間でした。
石垣島離島ターミナルに着いたのは18時20分。
この日は当初の予定と全く違ったものになりましたが、終わり良ければ全て良し。
興奮冷めやらぬまま島の繁華街へ繰り出しました。
2026年4月12日
日程三日目は消化試合。
今回は正午過ぎの便で石垣島を離れる予定だったため、少しだけ観察を楽しむつもりでいましたが…
見事に石垣島トライアスロンと日程が重なってしまいました。
開催時間中は大規模な交通規制が実施されるため、思うように移動することができません。
下手をすると飛行機に乗り遅れることもあるでしょう。
そのため最終日はいち早く空港付近へ移動して、余裕を持って観察を楽しむことに。
空港方面へ車を走らせていると電線に止まるチュウダイズアカアオバトを目撃。
体長が大きいだけあって遠目にもこのハトは目立ちます。
早くも交通規制の準備が進められていたため先を急ぐとシロハラクイナが道路を横断。
場所を問わず見られますが、石垣島の旅において最もカメラを向ける鳥はこのシロハラクイナ。
水田地帯を巡回するとセイタカシギが沢山。
付近ではソリハシセイタカシギも見られました。
旅の最後にリュウキュウアカショウビンを観察しようと考えましたが…
交通規制が始まり目的の場所に辿り着くことができず。
迂回に迂回を重ねたものの、長い時では10分以上停車を余儀なくされることもあり、トライアスロンが開催される日は相当な余裕を持たなければいけません。
結局のところ最後に観察したのはツバメチドリ。
こうして最終日の観察を終えて石垣島を離れましたが、今回は当初の目的よりも波照間-石垣航路が思い出に残る旅と言えるでしょう。
この先のことは分かりませんが、もし波照間島を再訪する機会があれば、渡りのベストシーズンに旅を楽しみたいと思います。
2026年 野鳥観察の旅 in 波照間島 (4月) はここまで。