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2026年 野鳥観察の旅 in シンガポール (2月) ②

 

 

前回のあらすじ。

 

 

真冬の秋田を離れ、常夏のシンガポールへ降り立った初日。

南国らしい湿度を感じながらも思いのほか過ごしやすい陽気に心は軽くなり、この日は早速観光へ。

 

屋台が並ぶホーカーズでは国民食とも言われるチキンライスに舌鼓を打ち、マーライオン公園では近代都市の夜景を堪能。

初日は五感を使ってシンガポールを楽しみました。

 

 

2026年2月12日

 

 

日程二日目。

 

シンガポールで探鳥を始めるにあたり天気予報を確認すると終日曇り予報。

雨に降られないことを嬉しく思ったものの、高温多湿の環境のなか一日を通して観察できる自信がありませんでした。

 

そのため幾分気温の下がる朝夕の時間帯に観察時間を設け、日中は屋内観光を楽しむことに。

 

先ずは戦の前に腹拵え。

 

 

コンビニで購入したおにぎりは日本のものと遜色ない見た目でしたが…

 

口に含んだ瞬間、猛烈な違和感。

まるで一度冷凍したご飯をそのまま海苔で巻いただけのような食感に思わず手が止まります。

 

これがお米なのかと日本のコンビニおにぎりが、いかに完成された食品であるかを思い知らされる朝でした。

 

 

おにぎりを食べ終えて外へ出たのは7時頃。

そろそろ明るくなっているだろうと思いましたが、シンガポールの7時は夜そのもの。

 

 

調べてみるとシンガポールの日の出時刻は7時18分。

日本との時差は僅か−1時間ですが、緯度の差が生み出す朝の表情は想像以上に大きいものでした。

 

薄っすら空が明るみ始めた頃に探鳥地へ向かうと、市内は既に交通量が多く想像以上の渋滞。

 

結局、探鳥地に到着したのは8時頃。

赤道直下の朝は遅く始まるものの、シンガポールの一日は決してゆっくりではないようです。

 

この日の探鳥地はシンガポール西部に位置するジュロン・レイク・ガーデンズ。

 

 

総面積はおよそ90ヘクタール。

東京ドーム約19個分に相当する広さを誇り、園内はレイクサイド・ガーデン、チャイニーズ・ガーデン、ジャパニーズ・ガーデンなど複数のエリアに分かれていました。

 

 

整備された遊歩道や湿地環境が広がり、都市部にありながら水辺と緑が共存する環境は野鳥観察の場としても知られているようです。

 

 

園内へ進むとあちこちから聞き慣れない鳴き声が聞こえ、声を頼りに歩みを進めるとメグロヒヨドリの姿が。

 

 

こちらは体長・生態共にシロガシラを彷彿とさせ、観察は非常に容易。

メグロヒヨドリは場所を問わず見られたため、シンガポールでは身近な野鳥なのでしょう。

 

次に観察できたのは和名通り小さなアオバトのコアオバト。

 

 

雄はカラフルな色合いをしていますが、雌はアオバトにそっくりな風貌。

 

 

巣材を集める姿が頻繁に見られたため、この時期が繁殖期に当たるのかもしれません。

それほど個体数は多くありませんでしたが、観察難易度は低いと感じました。

 

けたたましい鳴き声を上げていたのはオニカッコウ。

 

 

こちらは個体数が多く鳴き声を耳にしない時間はなかったように思います。

しかし空抜けの場所や枝葉の混み合った場所に居ることが多く、カメラマン泣かせの鳥なのではないでしょうか。

 

その一方、幼鳥は観察しやすかったように思います。

 

 

成鳥の観察に手を焼いていると糠喜びさせられたのはイエガラス。

オニカッコウと誤認してガッカリする場面がありました。

 

 

とは言え私はカラス科の鳥が好きなため腰を据えて観察に当たろうと思ったところ、双眼鏡を覗く構えを見せただけで飛去。

身近な鳥でありながらも、変わった動きには一定の警戒心を見せるようです。

 

ここまでがジュロン・レイク・ガーデンズのファーストインプレッション。

園内に入って間もなくは鳥が多いように思いましたが、歩くほどに「そんなに鳥がいないな」といった感覚に変わりました。

 

先行きに不安を感じながら歩いているとチョウショウバトが見られたものの、単体ではサイズ感を表現することができません。

 

時系列としては前後してしまいますが、ドバトやカノコバトと一緒に採餌する場面があったため、そちらを掲載。

 

 

チョウショウバトは手のひらサイズとあって本当に可愛らしい。

私が初めて見たのはオーストラリアでしたが、当時はあまりの小ささに驚きを隠せないほどでした。

 

更に園内を進むとジャワハッカの親子に遭遇。

 

 

親鳥に餌をねだる巣立ち雛の姿が可愛く思え、立ち止まる時間が長かったように思います。

 

この頃から頻繁に見かけるようになったのがバナナリス。

 

 

シンガポールでは動物に対する餌付け行為が禁止されているため足元に寄ってくるということはありませんでしたが、個体数の多さから至る所で見られました。

 

次に見られたムナオビオウギビタキはオーストラリアで観察したヨコフリオウギビタキにそっくり。

 

 

見た目は然ることながら体長も生態もほぼ同じ。

しかしヨコフリオウギビタキのように場面を問わず見られるということはなく、個体数としては少ないといった印象。

 

シキチョウもまたそれほど数は多くありませんでした。

 

 

更に園内を進むと嬉しい発見が。

行き止まりになっているエリアがあり引き返そうと思ったところ、ひっそりと羽を休めるオビロヨタカを発見しました。

 

こちらは肉眼での見た目に近付けるためスマホで撮影した画像です。

 

 

我ながらよく見落とさなかったと自画自賛。

 

国内においても明るい時間帯にヨタカを観察した経験がなかったため、時間に余裕があれば夜まで観察していたかもしれません。

 

 

本来一日一種といった観察スタイルのため後ろ髪を引かれましたが、更なる出会いを求めて移動するとコウライウグイスが良い場所に止まっていました。

 

 

コウライウグイスもまたオニカッコウのようにカメラマン泣かせの鳥であり、好条件で撮影できる機会は多くないでしょう。

 

この後はハチクマ・ヨシゴイ・ササゴイ・シロハラクイナ・アカガシラサギなど日本でもお馴染みの鳥を観察しているとインドトサカゲリを発見。

 

 

しかし距離が随分と離れていたため、近くから観察できそうな場所を探してみたものの辿り着くことができず…

 

右往左往する私の目に飛び込んできたのは市街地上空を飛行するF-16戦闘機。

 

 

この時を皮切りに絶えず飛行が続いたため、Googleマップを見てみるとジュロン地区の北側にシンガポール空軍の基地がありました。

 

そちらの基地から離着陸が繰り返されていたようですが、コンパクトな都市国家であるだけに市街地を飛ぶのも仕方のないことかもしれません。

 

 

上空を飛ぶ戦闘機を眺めていた時の出来事。

この旅の本命とも言えるキタカササギサイチョウが頭上を通過。

 

南国を感じさせる風貌とあって是が非でも観察したいと考えていましたが、残念ながら見失ってしまいました。

 

この時に改めて感じたのは想像とのギャップ。

勝手ながら目移りするほど鳥が多いと思い込んでいただけに失望感を隠せませんでした。

何よりも私の期待値が高過ぎたのかもしれません。

 

11時を過ぎても物足りなさが残り、そのまま探鳥を続けるとナンヨウショウビンを目撃。

 

 

過去に石垣島で苦戦したナンヨウショウビンも、こちらでは普通種とあって観察は容易。

 

わざわざ探して回らなくとも自然と目に触れるといった感覚です。

 

不意に『ガサガサ』という音が聞こえ、音の出所に目を移すとミズオオトカゲの姿が。

地面を意識していなかったため存在に気付くことができず、私を警戒したミズオオトカゲは池の中へ。

 

 

こちらの個体は1mくらいあったように思いますが、意外にも動きは機敏でした。

 

シンガポールの木々は背の高いものが多く、樹上を動く鳥に注目するとセアカハナドリを発見。

 

 

セアカハナドリの体長は9cmと小さい上に動きが素速く双眼鏡で追うのも非常に困難。

そのため撮影と言えば証拠写真を残すことが精一杯。

 

このように観察が困難な鳥が多いなか、ミドリカラスモドキだけはゆったりとした気持ちで見ることができました。

 

 

ムクドリ科の鳥と言えば群れをイメージしますが、ミドリカラスモドキを目にしたのはこの時限り。

シンガポールではそれほど個体数が多くないのかもしれません。

 

この時に棚から牡丹餅だったのはズアカミユビゲラ。

 

 

南国らしい風貌とあってインパクトは抜群。

誰が見ても目を引くキツツキではないでしょうか。

 

この後は園内のレストランを目指して歩いていると、遠巻きながらハリオハチクイを発見。

 

 

時々ハチクイらしき鳥が飛んでいたものの付近に止まることがなかったため、ようやく正体を掴むことができました。

 

初見の鳥であれば時間を割いて観察に当たるところでしたが、時刻は既に正午を過ぎており空腹に加えて喉はカラカラ。

 

そのため道すがら見られたミナミコサメビタキやソデグロバトもしっかりと観察せずレストランを目指して真っしぐら。

 

 

園内のレストランに辿り着いたのは13時頃だったでしょうか。

メニューはありきたりでしたが、食事を終える頃にチェンドルを提供していると知り迷わず注文。

 

 

シンガポールの名物は決して写真映えする見た目ではないものの味は抜群。

 

ニョロニョロとした緑色の物体はパンダンリーフのゼリー。

ココナッツミルクと黒糖を混ぜたような甘味は疲れた体に染み渡るようでした。

 

当初の予定では朝夕の観察を予定していましたが、まだ回っていないエリアもあったため体力が続く限り探鳥を継続することに。

 

レストランの外へ出ると日向ぼっこに出ていたのか複数のミズオオトカゲが見られ、そのなかに2mを超える巨大な個体が見られました。

 

 

のしのしと動く姿はもはやワニ。

こうした生き物が身近で見られることに非日常を感じます。

 

探鳥を再開して目を引いたのは素早く動き回るヒメコノハドリ。

 

 

樹上で見られる鳥はどれも動きが速いため観察には難儀させられますが、こちらは芋虫を捕食する場面を見ることができました。

 

次に見られたチャノドコバシタイヨウチョウは目線の高さだったものの、素早く動き回りほぼ観察できず。

 

 

思うような観察ができずストレスを抱えましたが、チャイニーズ・ガーデンに入ると状況が一変。

こちらは所狭しと花が咲いており、キバラタイヨウチョウが蜜を吸っていました。

 

 

雌雄のキバラタイヨウチョウをじっくり観察できて気分は上々。

 

 

チャイニーズ・ガーデンは低木が多く目線以下での観察を楽しんでいたところ、池の畔で採餌するシロスキハシコウを目撃。

 

採餌の様子はスマホで撮影。

 

 

シロスキハシコウはタニシのような貝類を好んでいるように見受けられましたが、何よりもアオサギとハシビロコウを混ぜたような風貌が印象的でした。

 

チャイニーズ・ガーデンとジャパニーズ・ガーデンはもっと早く回るべきだったと後悔しながら歩いていたところ、イエガラスに追われるキタカササギサイチョウを目撃。

 

この時は遠くへ飛ばず付近の木に止まったことを確認できたため、そちらに進んでみると…

 

 

圧倒的な存在感。

南国を象徴するような鳥をしっかり観察でき、ようやく胸のつかえが取れたように思います。

 

本命の観察後はアオショウビンを目にしましたが、こちらは体を震わせ水気を払っており、水辺に飛び込んだ直後のようでした。

 

 

アオショウビンを観察していると足元に見慣れないトカゲが…

 

 

調べてみても和名が分からず、英名はチェンジャブルリザードとのこと。

このトカゲもまた日向ぼっこに出てきたのかもしれません。

 

この頃には体力が底をつき最後の力を振り絞ってGrabのピックアップポイントへ。

 

幾分涼しい朝夕の時間帯に探鳥するはずが、8時15分に探鳥を始めて終了したのは16時45分。

結局のところ丸一日歩き続け、歩いた距離は20km超。

 

タクシーに乗り込むと温度計は33℃の表示があり、改めてよく歩いたもんだと我ながら呆れてしまいました。

 

 

ホテルへ戻ってからは観光へ繰り出す気力もなく、この日は的を絞って飲食店へ。

 

 

『お前はシンガポールに来ても鼎泰豊なのか』と言われてしまいそうですが、これもまた旅の一興。

 

待ち時間ゼロというのは流石に想定外でしたが小籠包は安定の味。

 

 

但し、炒飯だけは台湾で食べた味には及びませんでした。

やはり記憶の中の一皿には敵わないのかもしれません。

 

 

歩き続けた日程二日目はこうして終了。

翌日は探鳥地を変えて観察を楽しみましたが、そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。